経済・財政
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3月22
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2015/03/23【経済を優先して中国に接近するとどうなるか】
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中国が主体となって設立を目指すアジアインフラ投資銀行(AIIB)に欧州の各国が参加を表明しています。 中国がAIIBを設立する目的は、日米が主体となって既に設立しているアジア開発銀行(ADB)に対抗するためです。 中国は急成長した経済力を背景に、日米に代わってアジア地域での影響力を強めたい思惑を持っています。 しかし、一党独裁国家である中国による外国への援助は、公正中立とは言えず、政治的な意…
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3月03
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2015/03/04【発送電分離は成功するか】
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政府は、大手電力会社の発電部門と送配電部門を分社化する「発送電分離」を促す法改正案を閣議決定しました(※)。 発送電分離により発電事業への新規参入を促し、競争原理により電力料金低下や料金メニューの多様化などが期待できるとされます。 不必要な規制を撤廃して市場原理を働かせることは重要です。 しかし、電力料金に関しては、日本に先駆けて発送電分離を導入した海外の事例を見れば、必ずしも低下していないの…
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2月24
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2015/02/25【富める者を増やす指南書】
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フランスの経済学者トマ・ピケティ氏の主張に依然として注目が集まっているようです。 賛否両論に分かれる氏の見解について、両者の立場に言及しながら、様々なメディアが特集を組んで取り上げています。 ピケティ氏の主張を私なりの理解で要約すると、「現在の資本主義経済では、富める者はより富み、そうでない者との格差が広がっていく。従って、世界的に富める者への課税を強化して富の平準化を図るべきだ」ということで…
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2月17
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2015/02/17【企業の中国離れは円安だけが理由ではない】
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近ごろ、海外に進出した日本の製造業が、製造拠点を日本国内に戻す動きがあります。 これは、最近の円安や、「メードインジャパン」の効果が見直されていることなどが影響しているのが一因のようです。 特に、中国からの製造業の撤退の動きが顕著です。 こうした動きについて中国政府は、中国国内での賃金など製造コストの上昇や、中国の経済成長が鈍化していることを上げ、グローバル企業の再編は正常な活動であるとしてい…
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2月04
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2015/02/05【悪平等に繋がる危険性】
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『21世紀の資本』の著者であるピケティ教授が来日して以降、各メディアで同氏が取り上げられています。 以前このブログでも触れましたが、ピケティ氏の主張は、「現代の資本主義は、富める者はより富み、そうでない者との格差が広がっている。その不平等を解消するためには、所得と資産の両方への累進課税を強化すべき」ということです。 民主党の岡田代表は、来日したピケティ氏と会談し、ピケティ氏がアベノミクスは格差を…
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1月27
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2015/01/27【3.5兆円の緊急経済対策で十分か?】
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第189通常国会が召集されました。 イスラム国への政府の対応のほうに注目が集まっている中で、麻生財務相が今年度の補正予算案に関する財政演説を行いました(※)。 3.5兆円規模の緊急経済対策を柱とした補正予算案ですが、一昨年は10兆円、昨年は5兆円と、厳しい財政などを理由に年々減額されています。 政府の予想に反して昨年の消費増税の影響が響いてデフレ脱却に暗雲が立ち込めている状況ですから、果たして…
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1月24
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2015/01/25【第189回通常国会に期待すること】
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長年デフレに苦しんできた日本は、二年前の黒田総裁の就任以降、日銀が異次元とも言われる金融緩和を実施しています。 金融緩和で市場に出回るお金が増加すれば、経済はインフレ方向に振れ、デフレを克服できるとの判断からです。 日本ではイスラム国による人質事件で霞んでしまった感はありますが、過日、欧州の中央銀行も歴史的な金融緩和の実施を決定しました。欧州では、経済の低迷が続いており、最近ではデフレの兆候が…
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1月14
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2015/01/14【消えた1兆円】
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昨年4月の消費増税により、半年間で約1兆円の消費が抑制されたとする試算を内閣府が公表しました(※)。 何を今更という気もしますが、政府が消費増税による景気の腰折れを認めた形です。 政府は、消費増税を行う前、「増税を行っても景気は回復する」としていましたが、現実は幸福実現党が訴え続けてきた通り、景気が落ち込んでしまいました。 同じく内閣府は、消費を回復させるためには、物価よりも大きく賃金が伸…
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1月10
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2015/01/11【資本主義が衰退する本当の理由】
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『21世紀の資本』という少し難しい経済の本が話題となっており、増刷が相次いでいるとの報道がありました(※1)。 この本は、フランスの経済学者トマ・ピケティ氏が著したもので、「現代の資本主義は、富める者はより富み、そうでない者との格差が広がっている。その不平等を解消するためには、富裕層が逃れられないように世界規模で所得と資産の両方への累進課税を強化すべき」との内容です。 先の衆院選では…
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1月06
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2015/01/06【“この道しかない”に潜む危険性】
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安倍首相は年頭の記者会見で、「アベノミクスという種は、(中略)実りの季節を迎えようとしています」と述べ、引き続きアベノミクスを推進する姿勢を示しました(※1)。 先の民主党政権下で、幸福実現党は大胆な金融緩和の必要性を説いていましたが、安倍政権に代わってから、ようやく日銀とともに金融緩和の方向に動き出しました。 その結果、株価の上昇など日本経済復活の兆しが確かに見え始めました。 しかし、…