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2015/01/25【第189回通常国会に期待すること】

 長年デフレに苦しんできた日本は、二年前の黒田総裁の就任以降、日銀が異次元とも言われる金融緩和を実施しています。
金融緩和で市場に出回るお金が増加すれば、経済はインフレ方向に振れ、デフレを克服できるとの判断からです。

 日本ではイスラム国による人質事件で霞んでしまった感はありますが、過日、欧州の中央銀行も歴史的な金融緩和の実施を決定しました。欧州では、経済の低迷が続いており、最近ではデフレの兆候が顕著です。

 そこで、欧州でも金融緩和の必要性が叫ばれていましたが、財政規律を重視する欧州最大の経済大国であるドイツの反対で、金融緩和が見送られていました。

 今回、ようやく欧州中央銀行が金融緩和を決めたことで、欧州でもデフレの克服に一定の効果が期待できます。
しかし、いくら市場に出回るお金の量が増えたとしても、そのお金をどう使うかが、今後の経済成長に繋がるポイントになります。

 この点で、日本も同様の問題を抱えています。
アベノミクスの第三の矢である成長戦略は、具体的に機能し始めたとは到底言えない状況です。

 しかも、安倍政権は来年の消費税再増税を決定済みです。
こうした状況では、いくら第一の矢である金融緩和と、第二の矢である財政出動を実施しても、経済の回復に繋げることは困難です。
来週召集される第187回通常国会では、来年の消費税増税を断念に追い込むための論戦に期待したいと思います。