10月
01

2022/10/01【政党交付金の問題点とは】

 去年使われた「政党交付金」は360億円となり、前の年の1.5倍に増加したとのことです(※)。  増加の理由は、衆院選があったためであり、政党交付金のうち「選挙関係費」は80億円でした。      もともと政党交付金は、企業など団体からの政治献金を制限し、それに代わるものとして導入された制度です。  使途は基本的に制限されておらず、選挙関係費としての使用も法律上は問題ないとされます。    米国な…

9月
29

2022/09/29【葬儀の意味とは】

 今回は葬儀の意味を考えてみたいと思います。  葬儀と言うと、「故人を偲んで哀悼の意を捧げる機会」、あるいは「冥福を祈り鎮魂を図る機会」と思われていることが多いのではないでしょうか。  前者は、故人を思い出して悲しむということであり、残された側が主体という意味合いが強いものです。  感謝の意を捧げることも含まれるでしょう。  一方、後者は故人の死後の安寧を祈るものであり、死後の魂(霊)の存在が前提…

9月
24

2022/09/24【忘れてはならない“香港革命”とは】

 香港では、一昨年に香港国家安全維持法が施行され、香港の民主主義を維持するという一国二制度の約束が反故にされました。  換言すれば、香港では、自由が失われてしまいました。    その過程で、香港では学生を始めとした多くの人々が、いわゆる「香港革命」に立ち上がりましたが、力を背景にした当局に弾圧され、現在も厳しい監視が続いています。  欧米をはじめとした国際社会は、香港の民主主義を守るために中国政府…

9月
23

2022/09/23【ウクライナ問題で懸念される最悪の事態とは】

 ウクライナでは、ウクライナ軍による反撃が強まっているとされ、欧米もウクライナへの軍事的な支援を続ける姿勢を崩していません。  これに対し、ロシアは30万人規模の予備役(過去に軍務経験があるなど、現在は軍務以外に就いて、有事の際に緊急に招集される兵士)の動員を発表しました。  この発表は、ウクライナでの苦戦を受けてのことと見られています。  ロシアの足元では、旧ソ連を構成していた国同士の争いが顕在…

9月
19

2022/09/19【現代文明が一直線に発展してきたわけではないことを示唆するものとは】

  インドネシアで見つかった約3万年前の人骨に、脛から下を外科的に切除した形跡が確認されたとのことです(※)。   その骨の人物は、術後、長くて9年ほど生存した可能性があり、当時の人類が、切除方法、止血方法、感染症対策などの高度な医療知識を持っていたことになります。   これまで最古の切除手術の跡は、欧州で見つかった約7千年前とされる人骨ですが、今回の発見は、この記録を大幅に塗り替えるものです。 …

9月
16

2022/09/17【ロシアを追い込むことで危惧される地政学リスクとは】

ウクライナ問題が長期化し、ロシアが軍事的なリソースの多くをウクライナに割かざるを得ない中、ロシアの軍事的なプレゼンスが低下していると見る国や勢力が増えています   中でも、一昨年ようやく停戦したアルメニアとアゼルバイジャンは、再び戦火を交えました(※)。 アルメニアの後ろ盾のロシアが動けないと見たアゼルバイジャンは、自身に有利な内容で停戦交渉に持ち込みたい思惑があると見られています。 一方、アルメ…

9月
12

2022/09/12【“中国が日本の資源を横取りしている”とはどういうことか】

最近の日本のインフレは、石油など輸入に頼るエネルギー資源の価格高騰が、大きな原因とされます。  この問題を解決する方法の一つに、日本として自前のエネルギーを確保することがあります。 真っ先に考えられるのは、原発や再生可能エネルギーによる発電量を増やすことです。 しかし、原発の再稼働は遅々として進まず、再生可能エネルギーも必ずしも低コストとはいえない上に、太陽光パネルといった関連設備が中国などの外国…

9月
09

2022/09/09【インフレ時のバラマキの問題点とは】

 米国の消費者物価指数は8%台で推移し、インフレが急速に進んでいる印象です。  これに対しバイデン政権は、いわゆるインフレ抑制法を成立させるなど、巨額の財政支出により、このインフレを乗り切ろうとしています。  ここで、インフレとは何か確認してみます。  インフレとは、簡単に言うと「物やサービスの値段が上がっていくこと」であり、別の見方をすると「お金の価値が下がること」です。  ですから、需要に見合…

9月
06

2022/09/06【兵器の“共食い”とは】

 6日付の日経新聞に「装備品、5割が稼働不可」というショッキングな見出しの記事がありました。  記事では、故障修理やメンテナンスの際に、予算や部品の在庫が足らないために、同じ型の別の個体から部品を取り外して整備する、いわゆる「共食い整備」された戦闘機の写真が掲載されており印象的でした。  共食い整備は、手っ取り早く整備ができるものの、使える兵器の総数がどんどん減るうえに、中古部品を使っているのと同…

9月
05

2022/09/05【エネルギー供給国としてのロシアについて考えるべきこととは】

 インドネシアで開催されたG20エネルギー相会合で、欧米は「ロシアがエネルギーを武器として使用している」として批判しました。  これは、ロシアがドイツなどへの天然ガスの供給を絞っていることを念頭に置いたもので、エネルギー確保に対する切迫感が表れていると言えます。    確かに、ロシアはウクライナでの軍事衝突以降、不合理とも言える理由でドイツへの天然ガスの供給を絞ったり遮断したりしており、欧米の懸念…