米国の消費者物価指数は8%台で推移し、インフレが急速に進んでいる印象です。
これに対しバイデン政権は、いわゆるインフレ抑制法を成立させるなど、巨額の財政支出により、このインフレを乗り切ろうとしています。
ここで、インフレとは何か確認してみます。
インフレとは、簡単に言うと「物やサービスの値段が上がっていくこと」であり、別の見方をすると「お金の価値が下がること」です。
ですから、需要に見合うだけの物やサービスを供給できなければ値段は上がりますし、反対に物やサービスが余れば値段は下がります。
しかし、バイデン政権の政策は、バラマキ色の強いものです。
もちろん、物やサービスの供給力を増やす方向で予算を使えばいいのですが、単に消費者にお金を配るだけでは、物やサービスの供給力が増えずに購買力だけが増えることになり、インフレを悪化させる要因になりかねない危険な政策です。
中間選挙に向けたバラマキ政策の印象がぬぐえません。
翻って日本を見てみると、日本の消費者物価指数は2~3%であり、インフレの要因も金融緩和の影響や円安や原油高ですから、米国とは事情が全く同じという訳ではありません。
しかし、有権者に対するバラマキだけで、サプライサイドに立った政策を実施しなければ、インフレが加速した際に抑えが効かなくなる可能性があります。
ぜひ“小さな政府”の方向で抜本的な政策転換を図ってほしいものです。