5月
04

2019/05/04【令和は国家を守る気概を問われる】

 国際的な研究機関の推計では、中国の昨年の軍事費は2500億ドルだったとのことです(※)。  中国は軍事予算の内訳を発表していませんし、人民元はドルに対して意図的に為替が低く抑えられているということもあり、この推計値がどの程度実態を反映しているのか分かりませんが、少なくとも中国の軍事費は米国の4割程度に達し、世界第2位の規模になっているということです。    一方、日本の防衛費は、年度制であるため…

4月
29

2019/04/30【日本も台湾問題で一歩も引かない姿勢を】

 米海軍の駆逐艦が、台湾海峡を4ヶ月連続で航行しました。  今月は仏海軍のフリゲート艦も台湾海峡を航行しています。  こうした台湾海峡での米仏両国の艦艇の航行は、中国が管轄権を主張する南シナ海での「航行の自由作戦」とは少し意味合いが異なります。  それは、台湾に対する締め付けを強める中国に対しての牽制の意味合いがあるからです。  日本をはじめ多くの国は、公式には中国を国家と認め、台湾を国家とは認め…

4月
29

2019/04/29【外国との経済協力も国の専権事項ではないのか】

 沖縄県の玉城知事は、先ごろ訪中した際に、中国政府に対し「一帯一路に関する日本の出入り口として沖縄を活用して欲しい」と要請したとのことです。  「一帯一路」とは中国が主導する経済圏構想ですが、経済的な覇権のみならず軍事的な覇権とも表裏一体との懸念が拭えず、世界中が無条件で賛同している訳でないことは周知の事実です。  にもかかわらず、諸手を挙げて一帯一路に賛同して呼び込もうとしている玉城氏の姿には、…

4月
24

2019/04/24【自衛艦派遣は中国の海洋進出を容認することになるのでは】

 中国は10年ぶりに国際観艦式を開催しました。  観艦式とは、閲兵式に相当するもので、その国の元首や軍の幹部などが、艦艇を実地で観閲する式典です。  中国としては、国内向けに国威発揚を図るとともに、対外的には海軍力を誇示する狙いがあるものと思われます。    この観艦式には、十数か国が艦艇を派遣し、日本も中国の招きに応じて護衛艦1隻を派遣しました。    一方、米国は南シナ海での中国の振る舞いなど…

4月
17

2019/04/16【日本が国としての台湾を助ける時】

 中国軍の爆撃機などが台湾を周回するように示威飛行したことを、台湾政府が強く批判しました。    これに対し中国は、「国家主権と領土を守る我々の堅い決意と強靱な能力を見くびるな」と警告しました(※)。    しかし、台湾に中国の主権はありません。  台湾は、台湾政府が統治しており、外交も安全保障も全て中国から独立しています。  また、歴史を振り返ってみても、中国共産党が台湾を統治した事実は一度も無…

4月
15

2019/04/15【日本も人権問題の提起を】

 日中のハイレベル経済対話や外相会談などが行われ、関係改善の流れを加速させることで一致したとのことです。  今回の会談では、日本側は、経済問題だけでなく、東シナ海のガス田問題や北朝鮮の制裁逃れ、更には北朝鮮による拉致問題なども取り上げたとしています。  しかし、中国によるウイグルやチベットなどでの宗教弾圧や人権侵害については、日本側から何の言及も無かったようです。  3月に訪仏した習近平主席に対し…

4月
14

2019/04/14【日本も宇宙軍の創設を】

 自衛隊は、100人規模の宇宙監視の専門部隊を2022年度に発足させるとのことです(※)。  米軍などと協力して、スペースデブリだけでなく、不審な衛星の動きについても監視するとのことですから、宇宙防衛の機能も有する部隊となりそうです。  しかし、この部隊は、日本の宇宙防衛にとって一歩を踏み出すに過ぎません。  中国は既に、通信や偵察目的の衛星だけでなく、衛星を攻撃するための衛星や、地上から衛星を攻…

4月
14

2019/04/13【日本の防衛にとって重要な要撃任務】

 航空自衛隊による昨年度の緊急発進回数が999回と過去2番目の多さだったとのことです。  最も多かったのは28年度の1,168回でしたが、29年度は904回となり、一旦減少したため、日本を取り巻く状況が改善しているとの見方もありました。  しかし、この回数の多さは、日本にとって依然として厳しい状況が続いていることを示しています。    スクランブル回数が最も多かったのは、中国機を対象としたもので全…

4月
09

2019/04/08【離島防衛に必要最低限の装備】

 沖縄県の宮古島で新設された離島防衛を目的とした陸上自衛隊の駐屯地に、住民に説明の無いまま迫撃砲弾やミサイルを持ち込んだとして、防衛省が謝罪し当該の弾薬類を撤去する騒ぎがありました。  当初、防衛省は地元に対し小銃弾や発煙弾を持ち込むと説明していたため、防衛省側が非を認めた形です。  問題となった迫撃砲は、離島を防衛する部隊にとって最低限必要な装備と言えます。  具体的には、最大で数キロ先の敵陣地…

3月
31

2019/03/31【武士道精神の国であるなら】

 大相撲で大関に昇進した貴景勝は、昇進の口上で「武士道精神を重んじ」との言葉を口にしました。  武士道精神は、最近では忘れ去られようとしている言葉ですが、以前は日本人として備えるべき道徳観のように認識されていました。  特に、武士の時代が終わった後も軍人などから尊重されていた考え方であり、勝負の世界に身を置く力士らしい言葉といえます。  貴景勝自身は、「勝って驕らず、負けて腐らず」や、「受けた恩は…