大相撲で大関に昇進した貴景勝は、昇進の口上で「武士道精神を重んじ」との言葉を口にしました。
武士道精神は、最近では忘れ去られようとしている言葉ですが、以前は日本人として備えるべき道徳観のように認識されていました。
特に、武士の時代が終わった後も軍人などから尊重されていた考え方であり、勝負の世界に身を置く力士らしい言葉といえます。
貴景勝自身は、「勝って驕らず、負けて腐らず」や、「受けた恩は必ず返す」という言葉を使って、武士道精神を選んだ理由を説明していましたが、仁義や忠孝、謙譲の精神などを重んじる考え方は、現代に生きる私たちも大切にすべきではないでしょうか。
翻って政治の世界を見た場合に、この武士道精神を体現している政治家がどれだけいるでしょうか。
プラグマティックに判断すると言えば聞こえはいいかもしれませんが、損得勘定で物事を判断する政治家も少なくないように思います。
その最たるものの1つに台湾問題があります。
日本は、1972年に大陸側の中国共産党政府と国交を樹立し、台湾をいわば見捨てる形となりました。
「台湾と中国とでは人口規模が違い過ぎるし、中国は国連常任理事国でもあるから致し方の無い判断だった」との評価もありますが、経済的な恩恵を受けたのは事実ではあるものの、今では、日本経済が中国の意向に大きく影響されたり、軍事面では中国の脅威にさらされたりする事態になっています。
日本が、中国に対し民主化を促さないまま支援を行い経済的に肥大化させたために、中国はその経済力を使って軍事増強を重ね、覇権拡大的な考えのもとで周辺国を脅威にさらしているのです。
ある意味で、日本が武士道精神を軽んじて台湾を見捨てたために、災いを大きくしてしまった面があるのではないでしょうか。
今からでも遅くはありません。
日本は、台湾を独立した国家として認めたうえで国交を回復するとともに、国連への復帰を支援すべきです。
それが、武士道精神の国家として当然であると考えます。
【参考】:3月30日付幸福実現党ニュースhttps://info.hr-party.jp/2019/8566/