沖縄県の宮古島で新設された離島防衛を目的とした陸上自衛隊の駐屯地に、住民に説明の無いまま迫撃砲弾やミサイルを持ち込んだとして、防衛省が謝罪し当該の弾薬類を撤去する騒ぎがありました。
当初、防衛省は地元に対し小銃弾や発煙弾を持ち込むと説明していたため、防衛省側が非を認めた形です。
問題となった迫撃砲は、離島を防衛する部隊にとって最低限必要な装備と言えます。
具体的には、最大で数キロ先の敵陣地を攻撃するための陸自の普通科にとって標準的とも言える装備ですし、同じく問題となったミサイルは、上陸してくる舟艇や戦車を攻撃するための比較的小型の地対地ミサイルです。
射程距離が数十キロから数百キロに及ぶ大型の対艦ミサイルや対空ミサイルではなく、迫撃砲弾や多目的誘導弾を駐屯地にも持ち込むことが、小銃や発煙弾に比べて住民の生活にどのような危険性を増大させるのか不明です。
離島防衛の部隊は、必要な装備を得て初めて機能するのであり、小銃のみの部隊では、有事の際、隊員を危険にさらすことになるばかりか、住民も守れないという意味で逆に住民の生命や財産を危険にさらすことになります。
こうした防御的な意味合いの強い装備まで地元の了解を得た上でないと配備できないという今回の事態は、今後も基地反対派や中国などに利用されかねない前例を作ったことになるのではないでしょうか。