中国は10年ぶりに国際観艦式を開催しました。
観艦式とは、閲兵式に相当するもので、その国の元首や軍の幹部などが、艦艇を実地で観閲する式典です。
中国としては、国内向けに国威発揚を図るとともに、対外的には海軍力を誇示する狙いがあるものと思われます。
この観艦式には、十数か国が艦艇を派遣し、日本も中国の招きに応じて護衛艦1隻を派遣しました。
一方、米国は南シナ海での中国の振る舞いなどを念頭に、艦艇の派遣を見送っています。
中国は、近年、海洋進出を強めており、特に南シナ海では人工島を造成し軍事要塞化するなどして周辺諸国との緊張が高まっています。
その中国の海洋進出の原動力になっているのが海軍力であるだけに、中国が開催する観艦式に艦艇を派遣しない米国の対応は筋が通っているように思えます。
日本も米国と同様に中国の力を背景にした海洋進出には異を唱えるべきですが、観艦式に艦艇を派遣したことで、中国の海洋進出を容認しているように見えなくもありません。
昨年10月には韓国が国際観艦式に自衛艦を招待しておきながら、国際法上認められた日章旗の掲揚を韓国が認めなかったことから、日本は参加を見送り、筋を通した経緯があります。
今回は、日本政府として、習近平主席の来日を6月に控え、友好ムードを醸成したいという思惑があるにせよ、国際法を無視して南シナ海で管轄権を主張する中国に対して、筋を通して欲しかったと思います。
少なくとも米国とは共同歩調を取るべきだったのではないでしょうか。