5月
12

2017/05/13【東京都に真なる繁栄をもたらすために】

 東京オリンピックの東京都以外での仮設整備費を、東京都が負担することを小池知事が表明しました。 もともとは組織委員会が負担するとされていた500億円とも言われるこの費用負担は、組織委員会の財政事情により拠出が困難となり、誰が負担するかと言うことで宙に浮いた状態でした。  自民党などからは、都の負担表明が遅いなどとして非難する声が上がっていますが、東京都民からも更なる多額の費用負担に疑問の声が上がっ…

4月
18

2017/04/18【やはりデフレからの脱却はできていない】

 大手流通企業のイオンは、4月中に傘下のスーパーで日用品など最大254品目を値下げする方針とのことです(※)。 イオンの岡田社長は、記者会見で「脱デフレは大いなるイリュージョンだった」と述べ、日本経済はデフレから脱却できていないとの認識を示しました。  イオンの岡田社長は民進党の岡田元代表と親族関係があるからではないでしょうが、「デフレから脱却しつつある」とする安倍政権の認識を真っ向から否定した形…

4月
04

2017/04/05【クリーンなカジノとは?】

 安倍首相は、カジノを含むIR整備推進法に関連して、「クリーンなカジノ」を実現するための制度設計の必要性を訴えました(※)。  安倍首相の言う「クリーンなカジノ」とは、イカサマをしないカジノのことかと思いきや、依存症やマネーロンダリングなどへの懸念に配慮したカジノのことのようです。  しかし、いくら「クリーンな」という修飾語を使ったところで、政府が賭博の実現を訴える様には違和感を覚えます。 賭博は…

4月
04

2017/04/04【ロシアからのLNG輸入拡大を】

 ロシアは北極圏での液化天然ガス(LNG)生産に力を入れています。 プーチン大統領は、「ロシアが世界トップのLNG生産国になる」と述べ(※)、アジア各国への輸出を視野に入れています。  この機会に、日本はロシアからのLNG調達に、積極的に取り組むべきと考えます。 現在の日本は、原発の再稼動がままならず、電力の多くを火力発電に依存していますが、その約半分をLNGによって発電しています。  そのLNG…

3月
03

2017/03/03【政策議論が深まらない国会】

 2017年度の予算案は、既に先月27日に衆院で可決しているため、たとえ参院で可決できないような事態になったとしても、年度末には衆院の優越により自然成立します。  だからというわけではないでしょうが、文科省の天下り、PKO日報破棄、森友学園など、様々な問題が噴出し、全くと言っていいほど政策議論が深まらない参院予算委員会です。  政府は、「予算案の成立こそが最大の景気対策であり経済対策である」として…

2月
18

2017/02/18【政策効果があったから待機児童が増えたのか?】

 安倍首相は、衆院予算委員会で、2017年度末までに待機児童をゼロにする目標の達成が困難であると事実上認めました。 困難となった要因は、申込み数が過去数年間で2倍となるなど大幅に増えたからということです。  安倍首相は、その理由を「働く女性が見積もり以上になった。政策効果があった上、労働市場の状況が予想以上に改善された」と述べました(※)。 安倍首相としては、安倍政権の取り組みにより社会で活躍する…

1月
29

2017/01/29【国民に“そんなに働くな”という政府とは】

 政府は、時間外労働の上限について、年間で720時間(月平均60時間)とし、繁忙期など月間で最大100時間とすることで調整に入りました(※)。 現在の法律では、労使間で合意すれば、事実上、際限なく時間外労働が可能ですが、法律が改定されれば、上限を超えた場合、罰則が適用されることになります。  確かに、過労死など行き過ぎた時間外労働には歯止めが必要です。 また、労働時間の短縮に取り組むことで、生産性…

1月
27

2017/01/27【そろそろアベノミクスの評価を】

 日経平均株価が1万9千円を超え年初以来の高値水準となっています。 これは、ニューヨーク市場の株価が初めて2万ドルを超えた流れを受けたもので、いわゆる「トランプノミクス」への期待感が後押ししています。  財政出動・金融緩和・成長戦略を柱とするアベノミクスは、消費増税を断行したため、アクセルとブレーキを同時に踏んだ状態となり低迷が続いています。 そのアベノミクスはかろうじて株高に支えられている面があ…

1月
25

2017/01/25【トランプ大統領の経済政策に柔軟な対応を】

 トランプ大統領は、米国がTPPから離脱するための大統領令に署名しました。 これにより、現在の協定内容でのTPPの発効は実質的に不可能となりました。  これに対し、米国抜きでもTPPを発効させるべきと声があります(※)。 TPPは自由貿易のスタンダードとなる協定であり、自由貿易を目指す立場からその枠組みを維持したいとの思惑があるものと考えられます。  しかし、TPPの別の大きな意義として中国に対す…

1月
18

2017/01/18【世界経済低迷の本当の要因は何か】

 ダボス会議(世界経済フォーラムの年次総会)で中国の習近平国家主席が基調講演を行いました。    その中で習主席は、世界が様々な問題に直面していることに関し、「問題のすべてを経済のグローバル化がもたらしたわけではない」として、保護主義的な姿勢を示すトランプ次期大統領を牽制しました(※1)。  「経済のグローバル化」とは、世界全体を一つの市場として捉え自由貿易を推し進める「グローバリズム」のことです…