Archive for the ‘信教の自由’ Category
2019/11/25【香港の民主化運動に対するお言葉も伺ってみたい】
ローマカトリックの教皇が38年ぶりに来日されています。
各地でミサやスピーチを行うなど、日本の信者にとっては大きな福音になったことでしょう。
また、信者以外の日本人にとっても今回の訪問が好意的に受け入れられているようです。
来日しているフランシスコ教皇は、就任以来、今までタブー視されてきた問題に取り組み、カトリックの改革者とみなされている側面があります。
惜しむらくは、教皇が香港の問題にあまり言及されていないことです。
香港の民主化運動の中心はキリスト教徒ですが、自由・民主・信仰のために戦っている香港の人々に対する教皇のお言葉を是非とも伺ってみたいと思いました。
2019/10/07【バチカンはもっと香港への支援を】
最近、日本とバチカンの結び付きが注目を集めています。
来月には、フランシスコ法王が来日し長崎を訪れることが決まっていますし、新たな枢機卿に日本に20年以上の在住経験のあるルクセンブルクの大司教が任命されました。
既に、日本人の枢機卿も在職していることから、これで日本語を話せる枢機卿が2人となります。
バチカンのローマ法王庁は、世界10億人以上とされるローマカトリックの総本山であり、法王は政治的にも大きな影響力を持っています。
しかし、最近のローマ法王庁の中国や香港への対応を見る限り、その権威は揺らいでいるようにも見えなくもありません。
その理由として、ローマ法王庁は、長年、中国共産党政府と対立していましたが、最近では、事実上、中国国内のカトリックの中国共産党支配を認めてしまいました。
また、現在の香港でのデモ参加者の多くはキリスト教徒でもあり、宗教的信条に基づいて中国共産党政府への抗議の意思を表している人が中心であるにもかかわらず、ローマ法王庁からは香港のデモを支援するような態度は見られません。
このままでは、ローマカトリックの権威が薄らいていきかねません。
バチカンには、「自由」「民主」「信仰」の価値観を堅持するべく、無神論の中国共産党政府には毅然とした態度で臨むことが期待されているに違いありません。
2019/05/15【中国に自由、民主、信仰の価値観を広めるのが宗教の使命】
中国紙の1面にローマ法王庁の国務長官のインタビューが掲載されました(※)。
インタビューでは、同長官が中国を持ち上げた上で、更なる関係改善を進める意欲を示したとのことです。
中国共産党員には信仰が禁じられ、国民には信教の自由が認められていない中国は完全な無神論国家を目指しています。
その中国とローマ法王庁は、司教の任命権をめぐり長年対立してきましたが、昨年、ローマ法王庁側が折れる形で和解しました。
ローマ法王庁としては大局的な観点から和解に踏み切ったつもりなのかもしれませんが、この和解は、中国ではローマカトリックが中国共産党の下に位置することを意味します。
つまり、主なるキリストや天なる父の上に中国共産党があることを事実上認めたようなものです。
これは、キリスト教の信者にとって大いなる失望をもたらし、ローマカトリックの権威を低下させたばかりか、中国のキリスト教徒に対する中国共産党の統治を後押ししたようなものです。
事実、今回のインタビュー記事は、中国共産党の権威づけに利用されていると言っても過言ではありません。
中国では、1千万人以上いるとされるキリスト教の地下教会の信者に対する締め付けが強まっていますし、ウイグルのイスラム教徒やチベットの仏教徒に対する弾圧にも拍車がかかっています。
ですから、ローマ法王庁は、中国共産党に抵抗する信者の心の糧となるべきですが、あろうことかその中国共産党と手を結ぶとはどういうことでしょうか。
信者獲得に向けて14億の人口が魅力的に映ったのかもしれませんが、本来であれば、自由や民主という価値観とともに、信仰という人類普遍の価値観を中国に浸透させることは宗教のミッションであると考えます。
※:5月14日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/world/20190514-OYT1T50148/