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2019/01/05【休日の増加で売上や給与が減る現実も】

 日本の有給休暇の取得率が3年連続最下位という調査結果がありました(※)。

 
 フランスなどは取得率が100%であるのに対し、日本は50%に留まっているとのことです。

 有給休暇の日数は、フランスが30日程度、日本が20日程度ですが、この調査結果からは、日本の休暇を取りにくい状況が浮き彫りになっているとともに、日本で働く人は休んでいないというイメージも浮かんできます。
 

 
 しかし、祝祭日を含めれば、日本はそこまで休んでいないという訳でもなさそうです。

 例えば、フランスの2018年の祝祭日は11日あるとされますが、日本の祝祭日はどんどん増えて今では17日あります。

 しかも、日本ではその前日及び翌日が「国民の祝日」である平日は休日とすると定められています。

 更に、今年は新天皇のご即位に伴いゴールデンウィーク期間中の休日が3日増えます。
 

 新天皇のご即位は国民として心から祝意を表すべきであるとは思いますが、休日の取得という観点からは、世界と比べて日本人はそこまで休んでいないということでもなさそうです。
 

 4月からは、有給休暇の取得が法律で義務化され、一般的な労働者は年5日以上の有給休暇を取得しなければなりません。

 確かに、過労により健康被害を及ぼすようであれば是正策を講じる必要はありますが、政府が働くことの美徳を説かずに「休め休め」とだけ言うのであれば、日本の将来が心配になります。
 

 実際、稼働日が売上額に直結する製造業では、効率化の努力も限界に達し、休日の増加に悩んでいる事業所も多いと聞きます。

 また、日本では日給月給という給与形態をとっている中小企業が少なくないのですが、就労日の減少は、労働者の給与にそのまま反映されてしまいます。

 政府が休日を増やす背景には、働き方改革の他に、増えた余暇を消費に回してほしいという思惑もありますが、製造業や中小企業の実態を見れば、そう簡単に消費支出が増えるという訳ではなさそうです。

 政府もこうした実態を踏まえて、休日のあり方を議論すべきではないでしょうか。