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2018/08/25【次期戦闘機は国際共同開発でいいのか】

 米国が日本の次期戦闘機として、F-22の改良型を提案しているとして23日付の日経新聞が報じています。

 防衛省は、現行のF-2戦闘機の後継機の検討を行っていますが、当初考えていた国産はコストなどの点で難しいとして、国際共同開発の方向で調整しているとされます。

 これに呼応して、米国のロッキード・マーチン社が世界最強と言われるステルス戦闘機F-22をベースに、日本の技術を導入して大幅に改良する案を提案しているとされます。

 航空自衛隊では、現在、最新のステルス戦闘機F-35の調達を進めていますが、当初、F-35よりもF-22を欲していたにもかかわらず、米国の意向でF-35になったという経緯があります。

 自衛隊としては、攻撃機としての特性が強いF-35よりも、制空能力や要撃能力に優れるF-22の導入を目指していたのですが、中国に配慮した当時のオバマ政権がF-22の日本への供与を見送ったとされます。

 その際、米国側は供与できない理由の一つとして、F-22の生産ラインは既に閉じられたことをあげていました。

 しかし、今になって「やっぱりF-22は造れます」と言われても釈然としません。

 米国としては、数兆円とも言われるビジネスチャンスを逃したくないという商魂と共に、導入から約20年が経過したF-22の技術的優位性や機密性が低下したとの判断があるのかもしれません。

 F-22をベースにした開発では、日本としては技術的に得るものも多く開発が失敗するリスクを軽減できるメリットがありますが、イギリスを中心とした欧州では、「テンペスト」などと呼ばれる新たなステルス戦闘機の開発が始まっています。

 F-22やF-35は第5世代の戦闘機と呼ばれますが、テンペストはその次の世代を目指しているのです。

 日本としても、莫大な費用を支払って共同開発したものの、いざ出来上がってみたら世界の中で並の性能だったなどと言う事態は避けなければなりません。

 高い目標を掲げて開発することが、その国の産業の底上げに繋がる訳ですから、純国産開発の道を閉ざすべきではないと考えます。

 膨大な開発費がネックになるのであれば、国防債など、その開発費を捻出する新たな手法を模索すべきではないでしょうか。

 世界をリードする独自の航空宇宙産業を育てることは、日本の未来にとってたいへん重要ですから、国策として推進すべきと考えます。

【参考】:「幸福実現News Vol.106」https://info.hr-party.jp/files/2018/08/24172337/7523ykfe.pdf