中国政府は、中国仏教協会会長を務めていた人物について、尼僧への性行為強要や横領を事実と認め、今後、処分する方針とのことです(※)。
宗教に関わる人物が、本当にこうした不道徳な行為を行っていたとすれば、聖職者としてあってはならないことです。
中国では、宗教団体を統括する事実上のトップは、中国共産党です。
中国共産党の意にそぐわない宗教団体は宗教活動を認められておらず、中国に「信教の自由」は存在しません。
ですから、中国共産党の意向を汲んで会長職に就いた人物であれば、もともと宗教的な心境が高くなかっただけなのかもしれません。
ただ、そうした中にあっても、現在の中国では、仏教をはじめキリスト教など、中国共産党によって認められている宗教だけでも、信者が増えているとの報告があります。
これは、中国国民が心の拠り所を求めているということであり、唯物論の典型である共産主義が心の拠り所になり得ないということではないでしょうか。
こうした状況に、中国共産党指導部は危機感を募らせているのは想像に難くありません。
中国では、時の政権が転覆する裏に宗教が原動力になった歴史が幾多もあるからです。
ですから、今回、中国仏教会会長を務めていた人物の犯罪や不道徳を暴くことは、中国共産党による、宗教を貶める策略の可能性も否定できません。
よって、こうした報道はその真意を鑑みて、よく注意して聴く必要があります。
※:8月23日付産経新聞ニュースhttp://www.sankei.com/world/news/180823/wor1808230022-n1.html