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2018/04/22【北朝鮮の真意は】

 北朝鮮は核実験や大陸間弾道弾の発射実験などを中止すると発表しました。

 世界は北朝鮮の前向きな変化として歓迎していますが、北朝鮮は本当に核兵器を放棄する意思があるのか疑問が残ります。
 

 そもそも北朝鮮の今回の発表は、あくまでも「実験の中止」であり、対話ムードの中で譲歩したフリをしているに過ぎないとも考えられます。

 北朝鮮は、莫大な資金を費やして手に入れた核兵器を、何の対価も無しに手放すことなど考えられないからです。

 
 やはり北朝鮮は、厳しい姿勢のトランプ大統領が強硬な手段に打って出ることを警戒し、次期大統領選でトランプ政権が退陣すると見越して、それまでの時間稼ぎとして、次々と融和的な手段に打って出ているに過ぎないとも考えられます。
 

 
 これに先立ち、ノーベル平和賞を受賞した団体「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」の事務局長は、トランプ政権が核戦略を強化しながら、北朝鮮に核開発を断念させるのは説得力がないと批判しています(※)。
 

 これは言い方を変えれば、「米国の核の脅威に対抗するために北朝鮮が核兵器を持つことは一定の正当性がある」と言っているようなものです。

 
 ICANにしてみれば、独裁国家が核を持つことと、米国が核を持つことは同じという考えのようです。
 
 
 しかし、この考え方は北朝鮮を擁護し、北朝鮮の核兵器の価値を相対的に高めることに繋がります。

 

 もちろん、最終的には全ての核兵器は廃絶すべきですが、そこに至るまでの過程が重要です。

 現実が支配する国際政治の舞台では、独裁国家を相手に対等な交渉をしても、後で騙されたと分かっても取り返しがつかないのです。
 

 だからこそ、トランプ大統領には世界的正義の観点から、本当の正しさを鳥瞰したような神のごとき判断を下して頂きたいと願ってなりません。

 ※:4月21日付NHKニュースhttps://www3.nhk.or.jp/news/html/20180421/k10011412101000.html?utm_int=nsearch_contents_search-items_002