12月
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2016/12/19【会談結果は見越されていた】

 先の日露首脳会談では、日本側が最も期待していた北方領土の返還について具体的な進展が無く、その点では事実上の失敗だったと言えます。

 幸福の科学の大川隆法総裁は、日露首脳会談の一週間余り前に行われた大講演会で、「もし、私の意見をきいて、ロシアに対する経済制裁をせず、『大半はロシア系住民が住んでいるクリミアにおいて、プーチン大統領が邦人保護のために動いたことに一定の正当性がある』ということを認めたならば、今年、少なくとも北方四島のうちの二島は返ってきたでしょう」と、既に会談の結果を見越したかのごとく述べておられます(※)。

 政府は、2014年にロシアに対する欧米の経済制裁に加わった際に、「力による現状変更は許されない」としていました。
これは、「もし、ロシアによるクリミア併合を認めてしまえば、中国による尖閣諸島をはじめとした東シナ海や南シナ海で力による現状変更も認めてしまうことになりかねない」と中国の脅威を念頭に置いたものだと言われていました。

 しかし、ロシアによるクリミア併合と、中国による東シナ海や南シナ海での海洋進出は、本質的に異なります。
クリミアはもともと同じソ連領でしたし、住民の多くがロシア系で構成されています。

 一方、尖閣諸島は近代の資料でも中国自身が日本領と認めていたという事実がありますし、南シナ海について中国の主張する管轄権は国際法上根拠がないと国際司法裁判所で判決が出ています。
 

 ですから、政府は経済制裁に加わらずに、むしろ、ロシアによるクリミア併合と、中国による東シナ海や南シナ海での海洋進出の違いを、内外に強調すべきだったのではないでしょうか。
 

 安倍首相は、プーチン大統領と親密な関係にあるということを演出したいようですが、本当に信頼関係があるのならば、プーチン大統領が困っている時に助けることが筋です。大川総裁が指摘しているように、今回の件は安倍政権と外務省の失敗であったことは明らかです。

※:大川隆法著『繁栄への決断』幸福の科学出版http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1785
【参考】:12月17日付幸福実現党プレスリリース「日露首脳会談を受けて(党声明)」https://info.hr-party.jp/press-release/2016/3906/