3月
21

2016/03/21【中国が伊勢志摩サミットに圧力】

 中国は、日本に対し、5月に伊勢志摩で行われるG7サミットで、南シナ問題を取り上げないよう圧力を掛けていたことが明らかになっています(※)。
 

 中国側は、南シナ海問題を取り上げれば日中関係改善に重大な影響が出るとして取り下げを要求したものの、日本側は拒否したとのことです。
 

 中国が南シナ海で進める人工島の造成など軍事的な拡張は、領有権を争っている周辺国のみならず、日本をはじめとする世界の懸念事項であり、中国の要求を拒否した日本の対応は当然です。
 

 こうした国際的な首脳会談の席上、中国にとって都合の悪い議題を取り下げるよう圧力を掛けることは中国の常套手段です。
特に、南シナ問題の当事国であるASEANの首脳会談では、執拗に圧力を掛けて議題として取り上げさせなかったり、共同声明に盛り込ませなかったりと、なりふり構わない姿勢を示しています。

 国際社会は、北朝鮮の核開発と同様に、中国による南シナ海での軍事化に歯止めをかけるための実効ある手立てを講じていない状況が続いています。

 中国の圧力に屈するということは、力を背景とした中国の覇権拡大を黙認することに繋がるため、世界各国はあらゆる機会を通して中国の南シナ海や東シナ海での中国による問題を取り上げ続けるべきではないでしょうか。
そして、国際社会は、中国による南シナ海での軍事化阻止に向けて、実効性ある方策を講じるべきではないでしょうか。

※:3月20日付共同通信ニュースhttp://www.47news.jp/news/2016/03/post_20160320020128.html