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2016/01/17【再び台湾を見捨てるようなことがあってはならない】

 台湾の総統選挙は、民進党の蔡英文氏が当選し、8年ぶりに政権交代することになりました。
蔡氏は、中国との関係強化を急速に進める現在の国民党政権を批判し、中国との関係は現状維持が望ましいとし、台湾人としてのアイデンティティを打ち出していました。

 今後、親中的な国民党政権が退くことになり、中国は、民進党政権に圧力を強めてくることが予想されます。
当然、軍事的な圧力も強めると思われますが、国民党政権下で中国との繋がりが深まった経済面からも揺さぶりを掛けてくることでしょう。

 ですから、蔡氏としては、中国以外の国、とりわけ日本との関係強化に期待を寄せているはずです。
しかし、中国は、そうした日本の動きに対しても圧力を掛けてくることでしょう。

 これに対し、最近の安倍政権は、慰安婦の問題といい、南京事件の記憶遺産の問題といい、相手国に対して阿るような対応をしていることから、中国の意向に沿うような対応を取るのではないかと心配です。

 日本は、かつて中国共産党政権との国交を樹立する際に、旧宗主国でありながら台湾と断交してしまいました。
中国との国交回復は、日中両国にとって一定の利益があったことは事実ですが、日本は台湾に対して不義理をしてしまったこともまた事実です。

 台湾に対する「正義」を考えれば、日本として台湾を助けるべく関係強化を図る必要があると考えます。
中国の圧力に屈し、日本として再び台湾を見捨てるようなことがあってはなりません。