11月
19

2015/11/19【日本も米ロの関係改善の仲介役を】

 少しずつではありますが、対ISで米ロが軍事的に連携する兆しが出てきました。
シリア問題やウクライナ問題などで冷戦後最悪とまで言われる米ロ関係ですが、ロシアが対テロ作戦での爆撃を米側に事前通告したり、オバマ大統領が対ISで「ロシアは建設的なパートナーだ」と言及したりするようになっています(※)。

 米ロにはシリア政策などで大きな隔たりが残ったままですが、ロシアがエジプトでの旅客機の墜落をISによるテロと断定するに至り、対テロでは米ロの思惑が一致する部分が顕在化してきました。

 この米ロの協力は、フランスの呼びかけによるところも大きいとも言えます。
今回のパリでの同時テロでフランスの危機感が如何に大きく、国際連携の必要性が叫ばれているということがありますが、軍事面では他のEU諸国に比べてロシアとのパイプが残っているフランスの事情も、ロシアとの連携を後押ししているとも言えます。

 実は、米ロの対立は、中国を利することに繋がり、日本にとっても安全保障上のリスクとなります。
日本は、同盟国である米国の手前、現状ではロシアとの関係強化を図りづらい事情があり、年内を目指していたプーチン大統領の訪日も来年以降の公算が高まっています。

 しかし、首脳間での個人的な信頼が強い今の日ロ関係だからこそ、日本もフランスのように米ロの間に立って関係改善を手助けする努力をもっとすべきであると考えます。

※:11月18日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20151118/k10010311051000.html