厚生労働省は、財政が悪化している沖縄県の市町村の国民健康保険(国保)を支援するため、特例として交付金を8億円増額することを決めました(※)。
高齢の加入者の割合が高い国保は、保険料収入に対して支払われる保険金額が多いため、赤字の自治体が多いのが現状です。
そこで、国は一定の年齢の高齢者が多い自治体の国保に交付金を支給してきましたが、沖縄県の自治体の場合、対象となる年齢の高齢者の割合が比較的少ないため財政が悪化し、国に支援を求めていました。
沖縄県の場合、東日本大震災の直後であっても、県が自由に使途を決められる年間約3千億円もの沖縄振興予算を国から引き出しているのですから、8億円であればその中から県が支援できるのではないのでしょうか。
しかし、そもそも赤字体質の国保の制度自体に構造的な問題があるのではないでしょうか。
今年、医療保険制度改革法が成立しましたが、国保の改革は対処療法的で抜本的な解決になっていません。
このままでは、ますます医療費が増大し続けてしまいます。
最近では、医療費を抑制するために、日本でも予防医療にも力を入れているようなっていますが、やはり、病院経営そのものにも改革が必要ではないでしょうか。
過剰な医療が行われていないか見直すことは当然として、規制緩和により病院経営に民間企業では当たり前のマネジメントの考えを導入するなどして、病院経営の自由度を上げて効率化する必要があると考えます。
※:11月17日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20151117/k10010309431000.html