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2015/10/30【中国に呼応するような行動を取ることの危険性】

 沖縄県の翁長知事による辺野古地区の埋め立て許可の取り消しが、国交省により一時執行停止されたことで、中断していた移設作業が再開され、本体工事である埋め立て工事が始まりました(※)。

 これに対し翁長氏は、「激しい憤りを禁じえない」と政府を批判するとともに、改めてあらゆる手段で辺野古移設を阻止する姿勢を示しました。

 南シナ海では、中国による軍事拠点化が強く疑われる人工島の造成が続いており、中国の力を背景とした現状変更の試みを、周辺諸国はたいへん憂慮しています。
そうした中で行われた先の米軍艦艇による中国の人工島周辺への米軍艦艇の派遣は、周辺諸国は概ね歓迎されています。
国際社会は、強圧的に覇権拡大を進める中国に対する抑止力もしくはバランサーとしての米軍の役割を期待しているのです。

 沖縄の周辺でも、連日、尖閣諸島近海で中国の公船が活動していますし、東シナ海の日中中間線付近でも中国は日中間の取り決めを無視してガス田開発を強行しています。

 しかし、翁長氏は、中国の脅威に目を瞑って、米軍を追い出す行動を取っているのです。
穿った見方をすれば、翁長氏の言動は中国に呼応しているようにさえ思えてしまいます。

 沖縄の基地負担の重さは理解できますが、沖縄を守るためには、在沖縄米軍の抑止力は重要です。
今、在沖縄米軍の力を弱める行動を取ることは、中国の増長を加速し、沖縄をはじめとした日本のみならず東アジアの国々にとってたいへん危険なことになります。

※:10月29日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20151029/k10010287251000.html