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2015/07/26【ドイツの戦後処理を日本に当てはめることができない理由】

 日本の戦後処理を語る際、ドイツを見習えという声を聞きます。
日本とドイツは同じ敗戦国でありながら、日本は中韓などと未だに歴史問題で軋轢が生じている一方で、ドイツは近隣諸国と比較的良好な関係を築いているように見えるからです。
 

 しかし、日本とドイツは状況が全く違うということを理解する必要があります。
確かに、ドイツは謝罪に成功しているように見えますが、ドイツが謝罪しているのは主に「ナチスが行ったホロコースト(ユダヤ人の大量虐殺)」に対してです。
これに対し、ドイツが行った侵略戦争については、国家として正式に謝罪や補償を行っていないのです。
ナチスによる戦争とホロコーストは同じと思われがちですが、戦争による戦闘行為とホロコーストはあくまでも別のものなのです。

 一方で日本は、ドイツのようなホロコーストを行ったわけではありません。
しかも、日本が行った戦争は、ドイツのような明らかな侵略戦争ではなく、当時の国際情勢からしても防衛的な側面があったことは事実です。
にもかかわらず日本は、敗戦国としてアジア諸国に対し国家賠償を行ってきました。

 従って、日本もドイツのように謝罪しろという主張には無理があるのです。
ですから、日本をドイツのように謝罪させたい勢力が、謝罪の根拠づくりとして、南京大虐殺や従軍慰安婦といった捏造を図っていると言えるのです。

 また、ドイツの隣国には、「恨みを千年たっても忘れるな」のような主張をする国はありません。
ドイツではナチスの過ちを徹底して自国民に教育していることが理解されている面もありますが、近隣諸国のドイツへの配慮もあると言えます。

 このように、ドイツの戦後処理を日本に当てはめる動きには注意が必要であることがわかります。