中国で収監されていたチベットの高名な僧侶が獄中で死亡し、中国当局はその死因を明らかにしないばかりか、遺体の返還を求める遺族の要求も無視している模様です。
これに対し、オーストラリアでは亡命チベット人らが中国総領事館に押し入って抗議するという事件が発生していますし、中国の人権状況などを調査する米議会の公聴会でも今回の中国当局の一連の対応について関係者の証言が行われています(※)。
もともと独立国であったチベットは、中国共産党政権が誕生後、中国に侵攻され、1965年に中国の自治区に編入されました。
そして、チベットでは現在も中国による植民地とも言える状況が続いています。中国の侵攻当時、チベットは満足な防衛力を持っておらず、大規模な戦争という状況にはなりませんでしたが、中国による統治後、地主や貴族、宗教関係者などを対象に大規模な虐殺が行われ、1950年から1984年までに亡くなったチベット人は120万人を超えると言われています(※)。
現在も続く中国によるチベットへの弾圧について、日本政府は国際正義の観点からもっと抗議すべきではないでしょうか。
また、チベットのように戦争を経ずとも、悪意を持った他国に侵略されれば、自由を奪われるのみならず多くの生命が奪われる実例があるということを知っておくべきではないでしょうか。
※1:7月24日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20150724/k10010164241000.html
※2:The Liberty Web「国が滅ぶ理由」http://the-liberty.com/article.php?item_id=1130