安全保障関連法案の議論に関連して、「憲法9条を守れ」と訴えるデモの報道をよく目にするように感じます。
特に、安保法制に反対するマスコミは、こうしたデモを連日、規模が小さなものまで取り上げ、あたかも護憲運動が国民の間で拡大しているかのような印象を与えます。
しかし、ここ何年かを振り返れば、むしろ「憲法改正が必要」との声が高まっているのが現状ではないでしょうか。
10年、20年前だけでなく、民主党が政権を取った6年前でさえ、憲法改正の必要性は世論調査の項目にもほぼ載っていませんでした。
学校教育の場で、「平和憲法が日本の平和を守っている」と教えられたという人も多いと思いますが、平和憲法が当たり前と感じている人が多かったからではないでしょうか。
私も、「憲法9条は世界から絶賛され、日本の誇りである」とも教えられた記憶もありますが、ある時、その絶賛されているはずの憲法9条を採用している国は他に無いということに気づきました。
なぜ、憲法9条を採用しないのか、それは、採用すれば自国にとって弊害があるからです。
その弊害とは、侵略を受けた際に国を守ることができないということです。
誰も戦争をしたい訳ではありませんが、他国により自国が蹂躙されたら、命がけで自国を守るというのが道理なのです。
「戦争をしたくないので、ヒトラーにだって妥協する」という考えでは、戦争以上の悲劇をもたらすこともあるのです。
日本の平和を守ってきたのは、憲法で否定されているはずの戦力にあたる自衛隊や日米安保の存在であることは明らかです。
国民は、「平和憲法の理念は評価できる部分もあるが、憲法9条では国を守れない」ということに気づきはじめていると感じます。
ですから、最近のいくつかの世論調査では、憲法改正についての項目を目にするようになったのではないでしょか。
安保法制の議論は、それはそれで成立に向けて進めるべきですが、本来であれば、日本の平和を守るために、憲法改正の議論をこそ進めるべきであると考えます。