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2014/11/10【首脳会談の裏で】

 APECが開幕し、安倍首相と中国の習近平主席が初めて会談しました。
既に報道されているように、会談に先立ち習主席が安倍首相を出迎えた際、言葉を発した安倍首相に対し、習主席は返答をせずに目を合わせようともしませんでした。

 中国の国内世論を意識してそうした態度を取らざるを得なかったのかもしれませんが、外交儀礼に反した習主席の不遜な態度に、大国の指導者にふさわしい懐の深さを感じられなかった人も多かったのではないでしょうか。

 環太平洋の各国首脳が中国に集った同日に、中国軍はベールに包まれていた開発中のステルス戦闘機J-31を外国メディアに初公開しました(※)。
あくまで中国で開催される航空博覧会に合わせての公開という位置づけなのかもしれませんが、かつて、2011年に当時のゲーツ米国防長官が訪中した際に、今回公開された機体とは別の開発中のステルス戦闘機J-20の画像を米国への当てつけのように当時始めて公開したことがあります。

 現在、純粋にステルス戦闘機と言われる機体を開発し配備しているのは軍事大国の米国だけですが、穿った見方をすれば、今回も中国は高度な技術を必要とするステルス戦闘機を複数開発している様を見せつけることで、軍事面でも引き続き増強を進める姿勢を示し、米国とその同盟国を牽制しているとも取れます。

 中国は、首脳会談の開催で平和的な姿勢をアピールする一方で、軍事的に覇権を拡大する思惑を滲ませています。
日本は引き続き必要な防衛力の増強を怠ってはならないと思います。

※:11月10日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/world/20141110-OYT1T50068.html?from=ytop_ylist