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2013/11/11【中国国内の不満が高まっている時こそ防衛の備えを】

九州沖縄方面で、自衛隊が離島奪取などを想定した統合演習を行っています(※)。

この演習では、初めて沖縄県の宮古島に、地上発射式の対艦ミサイル部隊を北海道から展開させる演習を行いました。

今年に入って中国海軍の艦隊が、宮古島と沖縄本島の間の海域を通過して西太平洋上で訓練を行うという示威行動を繰り返しています。

しかし、中国軍が海洋進出を活発化させる中で、沖縄本島よりも南には自衛隊の戦闘部隊が駐屯しておらず、防衛体制が手薄と言わざるを得ない状況です。

しかも、左翼勢力の反対もあって、沖縄本島よりも南の島嶼部に自衛隊の戦闘部隊を常駐させることは容易ではありません。

そのため、今回のように他の地域から対艦ミサイル部隊を展開させる演習は防衛上必須とも言えるものです。

本来であれば、対艦ミサイル部隊を常駐させることが理想ですが、それでも今回の演習は中国軍への大きな牽制となることでしょう。

自衛隊の部隊が駐屯していない地域への部隊展開は、一見、武力衝突の危険性を高めるように思われますが、防衛力を高めることは、相手の野心を思い留めさせる効果があり、それは歴史が証明しています。

中国は内憂にあるときは、国民の不満を逸らすために外に打って出る傾向にあります。

中国国内ではかつてないほど共産党指導部への不満が高まっているとも見方もありますが、日本は防衛上の備えを十分に行っておく必要があります。

※:11月6日付産経新聞http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131106/plc13110622560023-n1.htm