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2013/10/27【変革を恐れていては日本の農業に未来は無い】

年内の妥結を目指してTPP交渉が続けられています。

政府は、米などの重要5品目については関税撤廃に応じない方向で交渉するとしていましたが、最近になってこれらの品目について与党内からも関税撤廃の声が上がっています。

既得権を持つ農業団体は関税撤廃に断固反対していますが、非効率な部分が目立つ日本の農業は、TPPを契機に変わる必要があるのではないでしょうか。

日本の農産品は、確かに美味しくて安全だと思います。

しかし、この日本の農業を保護するために、莫大なお金が使われていることはご存知でしょうか。

例えば、減反を実施している農家には、税金から年間約5千億円の補助金が支給されていますし、キャノングローバル戦略研究所の山下一仁氏によれば、日本の米の価格は適正価格よりも高く設定されており、消費者の負担は年間約5千億~6千億円との推計もあります。

日本の農業が高コスト体質であることは、米の関税が700%以上であることに象徴されています。

こうした手厚い保護下にある日本の農業ですが、食糧自給率はいっこうに向上していませんし、若者が就労する割合が低く農家の高齢化にも歯止めがかかっていません。

保護しなければ生き残れない産業に、永続的な発展は想像できません。

日本の農業は、高い技術力と品質で、実は高い国際競争力を有しています。

TPPを契機に非効率な部分を改めるチャンスとすべきです。

TPPでは、交渉期間の猶予が認められており、例えば関税及び貿易に関する一般協定(GATT)の24条では、関税撤廃に対して10年間の猶予が認められています。

TPPにより関税が撤廃されても、安い外国の農産品がすぐに大量に入ってくるわけではないのです。

猶予期間の内に農業の構造転換を図ればいいのです。

あらゆる分野で変化の激しい時代です。

高い技術と品質をもった日本の農業が、変革を恐れず発展していくことを、日本人として切に願います。