継続審議となっていた国家安全保障会議(日本版NSC)設置法案が今国会で審議入りしたのに続いて、特定秘密保護法案も閣議決定され、政府は両法案の今国会での成立を目指しています(※)。
日本版NSCは、外交や安全保障などの戦略を構築するため、国内外の情報を一元的に集めて分析する情報機関のことです。
この日本版NSCが有効に機能するために不可欠なのが特定秘密保護法案です。
特定秘密保護法案は、国家機密を漏らした場合の罰則を厳しくするものです。
この特定秘密保護法案に対し、マスコミは総じて反対の論調です。
その理由は、取材活動や知る権利を害する恐れがあるからということです。
確かに、こうした取材活動の自由や知る権利は大切です。
しかし、国家の安全保障に関する情報の漏えいを、現在のように規制が緩いまま、野放しにしていることのほうが問題ではないでしょうか。
今回の法案では、欺きや窃取といった方法によらない正当な取材活動は、原則として処罰の対象外となっていますし、対象となる情報は、国民の生命や安全にかかわるものに限られています。
私たちは、水面下で既に行われている中国や北朝鮮による諜報活動を現実の危機として認識する必要があります。
本来であれば、「スパイ防止法」の制定を目指すべきですが、その前段階として、特定秘密保護法案を速やかに成立させるべきと考えます。
※:10月25日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20131025-OYT1T00365.htm