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2013/09/27【国際法を脅かす中国の海洋進出】

防衛省は小笠原諸島の硫黄島に、周辺での活動を活発化させている中国の艦船などの通信を傍受するための施設を設置する方針を決めたとのことです(※1)。

これに対し、中国政府は、「中国軍の艦船や航空機が西太平洋の関連海域で訓練をするのは国際法に合致している。いかなる国も過剰に反応すべきではない」と述べ、日本に反発を示しました(※2)。

しかし、中国は、近年、海洋進出の活発化に伴い、数々の国際法違反を犯しています。

例えば、2004年には中国海軍の原子力潜水艦が、潜航したまま日本の八重山諸島周辺の領海を侵犯するという前代未聞の行為を行いました。

また、2009年には、中国の公船が南シナ海の公海上で米海軍の調査船の航行に対し妨害行為を行いましたが、各国の艦船の通過が認められている公海上にもかかわらず、中国側は「米船は中国の許可を得ずして排他的経済水域に侵入した」と主張しました。

更に、2011年には、ベトナムの排他的経済水域内において、同国の資源調査船のケーブルを中国の監視船が切断する事件が起きています。

このように、中国の海洋での動きは、国際法に合致しているどころか、中国独自の論理に基づいており、自国の都合のいい部分だけに国際法を持ち出しているに過ぎないように映ります。

中国は、海軍以外の調査船の活動も、軍事利用と密接に関わっています。

中国の西太平洋での活動が本当に国際法に合致しているのであれば、日本が中国本土から遠く離れた場所に完全に防衛的な施設を設置しても、中国側こそ過剰に反応する必要は無いのではないでしょうか。

※1:9月19日付産経新聞http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130919/plc13091915550009-n1.htm

※2:9月27日付同http://sankei.jp.msn.com/world/news/130927/chn13092708520000-n1.htm