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20120120【政治家、そしてお役人の皆様は、声無き声を聞いていますか?】

三井住友銀行が円高を背景に、海外投資に積極的な姿勢を示しています。

1990年にも海外への直接投資で資本流出がおこりましたが、雇用が増えたことを忘れてはならないと思います。昇竜日本が世界経済を牽引する姿こそ歴史的必然なのです。

円高のマイナス面がよく指摘されますが、問題は円高ではなく長く続いたデフレなのです。20数年前、折角の円高効果を、土地の総量規制、相次ぐ利上、そしてBIS規制(銀行の自己資本比率規制)によって失い、お金の流れ(フロー)を絞り過ぎたことを起点にデフレが始まりました。

これから欧州の金融機関は日本の金融機関がとった行動と同じ対策をとり、これに各国の財政均衡政策が追い討ちをかけ、雇用状況が厳しくなることは間違いありません。米国も政府資産に不良債権が地雷のように眠っています。

しかし少し後ろに引いて眺めてみたいと思います。この20年間で、日本の企業は量から質への転換を果たしたのは事実なのです。貸し剥がしに耐えながら、技術開発を怠らずに、強い筋肉体質に生まれ変わったのです。民間がデフレ環境にあっても、フローを生み出せる強い体質を作ったのに、行政が吸血鬼のようにお金を吸い上げる構造は断じて許すわけにはいきません。公的セクターこそ筋肉体質にならなければなりません。

3・11で国民は政治家や専門家がいかに当てにならないかが身に染みて分かりました。自助努力しかないことに気がついた民間は、行政の焼け太りなど絶対に許しません。それが、サイレンス・マジョリティー(声無き声)なのです。

以下、引用。

◇三井住友FG:米系投資銀行に出資71億円-日本企業のM&A支援強化(1月18日(ブルームバーグ))

三井住友フィナンシャルグループは18日、米独立系投資銀行のモーリスに9300万ドル(約71億円)を出資すると発表した。従来の関係を資本・業務提携に拡大することで、円高を背景とした日本企業による海外企業との合併・買収(M&A)や業務提携など、海外展開を支援する業務を一層強化する狙い

発表資料によると、モーリスはM&A助言や運用業務などを手掛けており、人員は約580人。実際の出資は三井住友銀行を通じて2月中旬をめどに行い、出資比率は約5%になる見通し。SMBC日興証券も提携に加わる。3社は2011年3月から業務上の協力関係にあった。

大手邦銀グループの間では、円高や欧州債務危機を背景に欧州銀行が手放す事業や資産の買収なども活用しながら、海外業務を拡大しようとする動きが広がっている。三井住友FGは16日に英銀RBSと航空機リース事業の買収で合意したばかりだ。

◇三井住友FGが英銀の航空機リース買収 欧州危機後で最大(SankeiBIZ 2012.1.17)

三井住友フィナンシャルグループ(FG)は17日、英大手金融グループのロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)が保有する航空機リース事業を買収することで基本合意したと発表した。買収するのはRBSの子会社で航空機リース事業を手掛ける「RBSアビエーションキャピタル」で総資産は約72億ドル(約5500億円)。今春めどの買収完了を目指す。

欧州危機が本格化してから、邦銀による欧州の金融機関の事業買収としては最大の案件だ。財務体質が悪化している欧州の金融機関は資産売却を急いでいる。

三井住友銀行と三井住友ファイナンス&リース、住友商事の3社が共同で買収し、RBS子会社の株式を1千億円程度で全株取得。子会社がRBSから借り入れている資金の返済など、残りの買収資金については国際協力銀行などの支援活用も含め、今後詰める。

◇大林組「海外売上高比率25%に」(日本経済新聞 朝刊 2012/01/18)

大林組の白石達社長は、連結売上高に占める海外事業の比率を「早期に25%へ引き上げる」考えを明らかにした。2011年3月期の海外売上高比率は14%にとどまる。「M&A(合併・買収)も活用し、海外展開を加速する」という

特に開拓を急ぐのはアジアで「洪水被害のあったタイや、インドネシアなどのインフラ建設需要は大きい」と言う。工事案件の取り込みのためには現地企業の協力やノウハウ獲得も必要で、「M&Aや共同企業体(JV)などを活用し、効率よく事業拡大につなげたい」と語る。

大林組は昨年、カナダ中堅建設会社を買収。ニュージーランドでは地元建設会社とJVを組み、高速道路工事を請け負った。北米、アジア、オセアニアを重点領域に掲げて市場開拓を急ぐ。

東日本大震災からの復興需要もあり、11~12年度の建設投資は増加するとの予測がある。ただ「国内建設市場は飽和状態で、企業数も減らず、シェアも大きな変化を見込めないため、海外進出は不可避」としている。

◇トヨタ、タイ生産を年76万台に 169億円投じ乗用車新工場(SankeiBIZ 2012.1.18)

トヨタ自動車は17日、タイに乗用車の新工場を建設すると発表した。乗用車の生産拠点であるゲートウェイ工場の第2工場として、2013年中ごろに稼働させる。投資額は169億円で、年間生産能力は7万台。

このほか工場再編の一環で10年5月末に休止した生産拠点も今年末に再開するなど、現在の3工場から5工場に生産拠点を拡大する

トヨタは、ゲートウェイ工場(年産能力20万台)のほか、ピックアップトラック「ハイラックス」などを中心に生産するサムロン工場(同23万台)とバンポー工場(同22万台)の3工場で、昨年1~11月に計47万5000台を生産した。アジア新興国市場が堅調なことから、生産能力をさらに上積みする。

具体的には今年5月、ゲートウェイ工場の生産能力を20万台から22万台に引き上げ、休止していた年産2万台規模の工場を29億円投資して再開する。新工場が完成すれば、タイでの生産能力は現行65万台から76万台規模に増強する計画だ。

引用、以上。