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2011/09/23 【国債の日銀引き受けは“禁じ手”ではない】

9月21日付の日本経済新聞に、同じく18日付の産経新聞に引き続いて、「復興支援とは、『増税』ではなく、『景気をよくすること』」と題した、幸福実現党の意見広告が掲載されました(※:http://www.hr-party.jp/new/wp-content/uploads/2011/09/8f5b52da463a756adbc62bcd13f8f9691.pdf)。

その意見広告の中に、「復興財源として国債の日銀引き受けの実施を求める。国債の日銀引き受けは、デフレ対策に加え、円高対策にもなる。」ことを提言させて頂きましたが、この国債の日銀直接引き受けは、「禁じ手」であると反対する人がいます。

その反対の理由は「これをやると、際限なく続けることになり、国債発行が増え続け、ハイパーインフレが起きたり、デフォルトに陥ったりして、日本経済が破綻する」といったものです。

確かに昭和初期において、軍部の意向に逆らうことが難しかったために、国債の引き受けに抑制が利かなくなった経緯があります。しかし、当時の世界恐慌のあおりを受けてデフレに陥っていた日本経済が他国に先駆けていち早く立ち直ったのは、当時の高橋是清蔵相が日銀に国債を引き受けさせて、積極財政を展開したことによるところが大きかったのです。その後に、二.二六事件が起きて高橋蔵相らが殺害されて、軍部の暴走に歯止めが利かなくなったのです。

しかし、現在の日本においては、政府内に暴力やテロを背景に際限のない予算を要求する勢力はありません。民主的に選ばれた政府が、例えばインフレ目標を設定し、その達成にコミットするわけですから、昭和初期のように際限のない日銀引き受けは起きません。

また、国の借金(国債)が900兆円ある一方で、政府はなかなか公表しませんが国の資産も600兆円はあると見積もられます。政府や財務省は借金の方しかいいませんが、日本国債の95%は国民が買っているのであり、外国に借金しているわけではないのです。むしろ日本は世界一の債権国、つまり最も外国にお金を貸している国なのです。よって、日本国債をさらに増発することによって、デフォルトに陥る心配はありません。

震災復興を理由に増税を行いたいのは、財務省にとって「国民からの借金」は都合が悪く、「国民からの税金」を巻き上げて自由に使いたいからです。彼らに自由に使わせたら、ろくなことにならないのは公的年金などで実証済みです。

これまで「禁じ手」とされてきた国債の日銀直接引き受けを行うということは、政府日銀が本気でデフレ脱却を目指すという強いメッセージにもなります。そして、震災復興の財源についても、国民に新たな負担をかけることなく調達できるようになるのです。ぜひとも国会の決議を経て、国債の日銀直接引き受けを行うべきです。