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2011/06/12 【どないかせなあかん?中国の核戦略に懸念も-新国防長官公聴会】

【アジア重視姿勢変わらず=中国の核戦略に懸念も-新国防長官公聴会】時事通信2011年6月10-09:14より

次期米国防長官に指名された中央情報局(CIA)のパネッタ長官は9日の上院軍事委員会公聴会で、アジア太平洋地域における安全保障政策の基本的な考えを初めて示した。

不透明な中国の軍事力増強と北朝鮮の脅威を念頭に、持続的かつ柔軟な米軍配置を強調し、ゲーツ現国防長官同様、安全保障環境が著しく変化するアジアを重視した。

パネッタ氏は「新興国の台頭や大量破壊兵器拡散の懸念などアジア太平洋の安全保障環境の変化に対応しなければならない」と主張し、米軍再編や同盟国との連携、友好国との関係強化を通じて、中国の軍拡や北朝鮮に対処していくことを強調した。

潜在的脅威に対して米国の抑止力は不変であると同盟国に確信させる必要性も指摘した。

特に、中国軍拡に関する証言で注目されるのは、中国の核戦力に言及した点だ。

パネッタ氏は「中国は核戦力の近代化を通じて戦略的攻撃能力を強化しつつある」と踏み込んだ。

中国が戦略核による抑止力だけでなく、先制攻撃を念頭に核兵器開発を進めることを懸念したものだ。

パネッタ氏は米中軍事交流の拡大も期待しており、ゲーツ長官同様、中国側に核開発の透明性を求めていく方針だ。

引用、以上。

最近のニュースでも米国は中国からのサイバー戦に備えることを明言したばかりですが、今回は中国の核戦力にも注目させるものです。

中国も核保有国ですが、その核戦力の実態はあまり明らかにされることがありません。

中国は伝統的な戦略として「実態を明らかにせず、敵側の不安を駆りたてる」といったものを採用しており、それは現代にも「不透明な核戦力(米国は透明性の欠如と批難するもの)」といった形で表れています。

中国の核戦力と戦略を把握する際には大きくポイントは、「中国の核戦力は想像されているよりも、あまり上手く機能していない」ことです。

核兵器を戦力化するということは「核の三本柱(大陸間弾道弾、潜水艦発射弾道ミサイル、戦略爆撃)」が整備されることです。

しかし、中国が作戦運用可能なレベルで配備できているのは大陸間弾道弾のみであり、弾道ミサイルを搭載した戦略原潜は2、3隻に留まっています。

これでは太平洋に進出して活動することなど不可能に近いものとなります。

戦略爆撃機も配備できておらず、これは核攻撃に対し報復を行う第二撃能力が無きに等しく、中国は核の先制攻撃に対して非常に脆弱なことを明らかにしています。

中国の核戦力の現状も大きな進展はないものですが、今後中国が重点を置くものとしては作戦運用可能な戦略原潜の配備となること予測されます。

日本としても米国からは中国の潜水艦を駆り出す役割を期待されており、中国の核戦力に対抗していくためにも日米間の同盟は一層必要不可欠なものとなります。