【原発再稼働、首相の訪問は“火に油を注ぐだけ”―最終判断を地方に丸投げ】2011年6月10日 産経より
政府は、電力危機の回避に不可欠な定期検査終了後の原発の再稼働に向けた道筋をつけられないでいる。
海江田万里経済産業相は10日、菅直人首相が立地自治体を訪れて再稼働を要請することも検討していることを明らかにした。
ただ、菅首相が明確な根拠を示さずに浜岡原発を停止させたことが、自治体側の不信の原因となっており、「張本人が説得しても火に油を注ぐだけ」(電力業界関係者)との声も出ている。
海江田経産相は、「地元自治体、とりわけ県知事に理解してもらうことが大事な要素となっている。どういう形で政府が後押しをすればよいかを(首相と)話している」と語った。
本来、経済産業省原子力安全・保安院の了承を得れば定検後の再稼働は可能で、地元自治体の同意を得る法的手続きは必要ない。
だが、電力各社は、「重大事故が起きた場合、地元と協議する」などの協定を結んでおり、他社の事故でも地元の不安が大きいことから、同意を前提とせざるを得ない状況にある。
保安院は福島第1原発事故後に指示した緊急対策について、立ち入り検査で「安全性に問題はない」と確認。
さらに7日には国際原子力機関(IAEA)への報告書に基づき、5項目の追加対策を要請した。
政府は、こうした対策の実施で地元の理解を得たい考えだが、「津波対策に偏っており、地震の揺れについては不安が残る」(西川一誠福井県知事)などと、難色を示している。
菅首相が他の原発と同様の対策を実施した浜岡原発だけを停止させたことに対し、政府内にも「世論の受けを狙った代償として電力危機を拡大させた」との批判が強い。
自治体側には「国全体のエネルギー政策に関わる最終判断を地方に丸投げしている」との不満がある。
明確な安全基準を示し、国の責任で再稼働を促す取り組みが急務だ。
引用、以上。
菅首相の法的根拠の無い「浜岡原発停止要請」というスタンドプレイが今夏の全国的な電力危機を招いており、政府は原発の再稼働に向けた道筋がつけられずに困っています。
それは当然です。記事にも「菅首相が明確な根拠を示さずに浜岡原発を停止させたことが、自治体側の不信の原因となっている」とありますが、問題が無かった「浜岡原発を止めた理由」について、菅首相は説得的、客観的な根拠を示せていません。
その結果、浜岡原発だけが危険であり、他の原発は安全だという「根拠」が見つからず、他の原発を再開する整合性が取れずに、再開がストップしています。
まさに菅首相発信の「原発風評被害」で、地元自治体はクビを絞められている状態で、左翼が主張する「全ての原発を止めろ」という方向に流れています。
原発を再開するためには、政府権限で再開を促すしかありませんが、原発風評被害の「張本人が説得しても火に油を注ぐだけ」(電力業界関係者)との声も出ており、再開の見通しは厳しい状態が続きそうです。
菅首相が退陣しない限り、原発は限りなく廃止される方向に向かっていくことでしょう。