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2021/06/17【家族の絆を奪う“福祉国家”から温もりのある社会へ】

 重い病を患っていながらも、できる限り在宅で療養したいというニーズは少なくありせん。

 病院や福祉施設への入院や入所による療養が増える傾向にある昨今、可能な限り家族が面倒を看るというのは本来あるべき姿なので、在宅医療のニーズは尊重すべきだと思います。
 

 一方で、コロナ禍の現在は、患者へのウィルス感染を未然に防ぐ観点から、入院や入所を余儀なくされるケースが増えていると聞きます。

 コロナ禍の終息が見通せない状況では、入院や入所が長期化し、必然的に契約していた福祉サービスは一旦解約することになります。

 例えば、介護保険でレンタルしていた介護用ベッドや車いすなどが解約により引き上げられたり、訪問介護や訪問入浴も利用停止となったりします。

 特に、入院中はあくまでも医療保険による入院なので、介護保険など他の公的保険によるサービスは原則利用できません。

 これはコロナ禍に限ったことではありませんが、在宅でのサービスが利用できないと、例えば外泊許可が下りても、一時帰宅を断念せざるを得なくなります。

 長期入院中の患者にとって、一時帰宅は何よりもうれしいものです。

 ですから、必要なサービスを利用するにあたって、公的保険の適用にもっと柔軟性を持たせてもいいのではないでしょうか。

 同時に、公的保険の拡充による政府が丸抱えするスタイルを見直し、民間の参入を促し民間の保険商品を充実させる方向で、利用者の選択の幅を増やすべきではないでしょうか。

 「公助」に重きを置く福祉国家は、家族の絆や地域の繋がりを奪う側面があります。

 目指すべきは、「自助」と「共助」を基本とした温もりのある社会ではないでしょうか。