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2019/06/11【必要なのは日本を繁栄させる国家戦略】

 安倍首相は参院決算委員会で、「年金が100年安心というのは嘘だ」という指摘に対し、そうではないと反論の答弁をしました。

 その理由として首相は、今年度の年金額が0.1%の増額改定となったことをあげています。
 

 一方で、5年に一度見直すことになっている年金の将来的な支給水準の検証結果の公表が、参院選の後にずれ込むとの見方が強まっています。

 これは、このまま高齢化が進めば支給水準の低下は確実と見られているためで、参院選への影響を避けたい与党の思惑が見えなくもありません。
 

 将来的な支給水準が低下するという検証結果が事実であれば、安倍首相の答弁と矛盾することになります。

 仮に100年安心というのが事実だとしても、現役世代の人口増加が無い以上、それは現役世代が重い負担を強いられることを意味します。

 若い世代ほど、納付した年金保険料よりも、将来給付される年金が少ないという現実が是正されない限り、現役世代のやる気を削いだり、不公平感が解消されなかったりすることになり、これが本当に100年安心の制度なのかという疑問が湧いくのは当然です。

 やはり、現行の年金制度が本当に持続可能なのかを再検証しなければなりません。

 与党だけでなく野党も、年金制度自体は維持することが前提のようですが、制度発足時から右肩上がりの経済成長と労働人口の増加を前提に年金を集め、その資金を財政支出やバラマキで使っていたとする「公的ネズミ講」の実態が明らかになった場合には、政府には破綻処理も辞さない覚悟が迫られます。

 ならば、年金制度の実施的破綻から国民を救済する為には、増税ではなく減税による経済成長を選ぶことです。

 規制緩和による民間活力の醸成、新たなる産業の育成、新たなる仕事の創設等々、やれることはまだまだあります。

 「100年安心」を権利ではなく、目標として捉え、経済を成長させ、年金を補えるだけの収入を得られるチャンスを創造することが、日本を繁栄させ、安心した国民生活を創り出すための国家戦略です。

 今必要なのは、日本を繁栄させる国家戦略です。

 その実現に向け、まずは消費税増税の撤回が急務です。