イージス・アショアの配備が、地元の理解が得られず難航しています。
今月に入り、配備に向けて防衛省が作成した地元への説明資料に誤りが見つかり、地元の不信感が高まっています。
もともと地元では、配備によってレーダーから照射される電磁波が健康に影響を及ぼすとか、配備されれば有事の際に地元が攻撃されるなどといった不安により、配備に反対する人も少なくありませんでした。
電磁波については、法令に則り健康に影響を及ぼさない範囲で運用すればいいことですが、一方の攻撃される可能性については、冷静に考えなければならない事案です。
ここで留意すべき点は、「攻撃される可能性があるから反対する」ということは、反対派が「日本が攻撃される可能性があることを認めている」ということになります。
ですから、イージス・アショアの必要性や存在価値といったものは、当然あるということです。
であるならば、やはりイージス・アショアはどこかに配備しなければならないということになります。
しかし、「危険なものは身近にあって欲しくない」というは住民感情としては当然のことです。
例えば、大型工場や燃料施設、ごみ焼却場など、「必要性を認めるけれども、できれば自分の住む地域は避けて欲しい」という気持ちです。
それでも、全ての地域でこうした施設を建てることができないようならば、社会生活は成り立たなくなります。
同様に、国家の安全保障に関わる施設も建てることができないようならば、亡国の危機を招くことになります。
ですから、政府をはじめ行政には、説明資料の誤りなどはあってはなりませんが、責任をもって配備や設置を進めるべきですし、国民の側にも一定の理解が必要であると考えます。