政府はマイナンバーカードを保険証の代わりに使用できるようにする方針です(※)。
マイナンバーカードの普及率が13%と低迷しており、新たなメリットを打ち出すことで普及を図る狙いがあるようです。
確かに、マイナンバーが普及し、各役所間でバラバラの行政事務を1つの番号で管理すれば、手続きが簡略化できるメリットがあります。
しかし、情報セキュリティが本当に盤石なのかが危惧される中で、膨大な個人情報を一つの番号で管理すれば、一たび情報漏えいが起こった際の影響が計り知れません。
また、マイナンバー導入時の政府の導入主旨範囲を超えて、個人の活動のあらゆるものをマイナンバーと結びつけようとする動きも懸念されます。
これは、個人の自由を制限したり委縮させたりする可能性があるからです。
実際、マイナンバー先進国でもある中国では、お金の出し入れから、交通機関による移動まで、あらゆるものが個人番号と結び付けられており、個人の行動を政府が管理・把握できるようになっています。
こうしたことから、先進国の中には、マイナンバーの適用を制限したり、マイナンバーそのものを廃止したりする動きもあります。
政府は、可能な限り国民を管理したいという思惑があるのかもしれませんが、日本を中国のような監視社会にしてはなりません。
メリットよりもデメリットの大きいマイナンバーは廃止すべきと考えますが、少なくともこれ以上の適用拡大は見送るべきではないでしょうか。
※:6月4日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20190604/k10011939991000.html