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2019/05/31【解散する大義が見当たらない】

 安倍首相は、衆院の解散風に言及し「風というものは気まぐれで、誰かがコントロールできるようなものではない」と述べました。

 今まで首相は、「解散は全く考えていない」としていたので、解散の認識に変化が現れています。
 

 これは、野党への牽制ともに、消費増税後の解散総選挙では経済に悪影響が出るために、勝てるうちに解散しようという思惑があるからとも考えられます。

 ただ、衆院の解散権は首相にある訳ですから、ある意味で無責任な発言に聞こえなくもありません。

 これに対し、野党は「解散は望むところだ」としていますが、安倍首相の解散戦略に戦々恐々としているのが実状のようです。

 もともと野党は安倍政権を退陣に追い込むという一点で共闘している訳ですから、本来であれば解散を促すのが筋のように思われます。
 

 しかし、解散するか否かということを議論する以前に、そもそも今は解散する大義が見当たりません。

 消費増税の是非を問う選挙は既に実施されていますし、憲法改正は憲法審査会すらまともに開催されていない状況です。

 野党による内閣不信任案の提出も解散の大義となるとした政権幹部もいますが、衆院で与党が過半数を占めている訳ですから、否決すればいいだけの話です。

 それでも解散をするというならば、政府には国民が納得できる大義を示す義務があります。

 衆議院選挙には500億円に及ぶ莫大な国費を費やします。

 もしも、4年の任期を待たずに2年そこそこで選挙を繰り返すならば、その費用に見合った分だけ、内閣府という二重行政の廃止など、政府のリストラをすべきではないでしょうか。