米国の研究機関は、今年2月に臨界前核実験を行っていたいことを明らかにしました。
臨界前核実験とは、核爆発を伴わない核実験のことで、包括的核実験禁止条約では禁止されていません。
被爆を経験した広島市や長崎市からは米国に対し抗議の声が上がっています。
そうした批判は、先の大戦で被爆国となった我が国の感情として理解できない訳ではありません。
ただ、臨界前核実験は、基本的に実験の当事者が実験を行ったことを明らかにしなければ、世間は把握できません。
例えば、核開発を最高機密にしている中国や北朝鮮などがいつ臨界前核実験を行ったのか把握することは困難です。
ですから、臨界前核実験の実施を明らかにした米国の姿勢は、情報公開と言う点では、評価すべき側面もあります。
しかも、コンピューターが高度に発達した現在では、核実験をコンピューター上で細密にシミュレーションできるようになっています。
このコンピューター上のシミュレーションを、はたして核実験と呼ぶべきなのか、或いは実際の核実験を削減した要因の一つとして評価するのか、議論の余地があるかもしれません。
究極的には核廃絶を目指すべきですが、諸外国では軍事力や核保有が外交上の有力な手段になっている現実を見る限り、重要なことは核兵器を使わせない努力です。
近年には北朝鮮核問題があり、現在も米朝交渉は続いています。
「核戦争の後に核廃絶が実現した」ということでは取り返しがつきません。
人類は、神の正義の下、新たなる世界秩序を形成する時代に突入していると考えます。