経産省は、昨年、北海道で起きた電力のブラックアウトを踏まえ、北海道と本州を結ぶ送電網の容量を30%あまり増やす方針を決めました(※)。
費用は、全国の電気料金に上乗せして賄うとのことです。
経産省は、送電網の増強で、電力の融通がやり易くなり、発電所の効率的な運用で電気料金の値下げにも繋がるとしています。
しかし、この論理は「電気料金を値上げすれば、電気料金を下げられる」と言っているようなものであり、レトリックではないでしょうか。
しかも、10月の消費増税が既定路線である中、誰もが使う電気料金の値上げは、国民生活を圧迫するだけでなく、一層の経済悪化を招くことになります。
そもそも、北海道のブラックアウトを防止するには、北海道電力の泊原発を再稼動すれば済むことです。
福島第一原発事故をきっかけに日本の原発は外部電源の喪失や過酷事故への対応が十分になされており、安全性が一段と高まっていることから、直ちに再稼働させても事実上問題ないとする声もあります。
更に、ロシアからの電力輸入も検討すべきではないでしょうか。
北海道とサハリンを結ぶエネルギーブリッジが実現すれば、電力供給源としてのバックアップが期待できますし、安価な電力により経済振興も図れます。
同時に、経済低迷にあえぐロシアを助けることにも繋がり、日露関係の強化により、対中包囲網の形成や北方領土問題の解決にも一助となるはずです。
※:5月17日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20190517/k10011918771000.html