幼児教育と保育を無償化する法案が成立しました。
政府・与党などは、無償化で子育ての負担を軽減し、少子化に歯止めをかけることができるとしています。
確かに、子育てに掛かる費用が少なくないことから、2人目、3人目などと本当はもっと子供が欲しいのに、断念する家庭もあることは事実でしょう。
しかし、幼児教育と保育の無償化の費用は年間7千7百億円余りと見積もられており、費用に見合った少子化の抑止効果があるのか疑問です。
むしろ法案成立から制度の実施まで5ヶ月ほどしかないため、幼児教育・保育の現場の混乱とともに、保育士不足に拍車を掛け、質の低下を招くことが懸念されています。
しかも、今回の無償化の実施は、消費増税による税収を財源とし、消費増税の実施と合わせて行われるため、消費増税の正当化に使われている感が否めません。
無償化という有権者が反対しづらい政策をあてがうために、何とか消費増税に間に合わせた印象です。
別の言い方をすれば、無償化はあからさまなバラマキ政策ではないでしょうか。
そもそも消費増税は、増え続ける社会保障費を賄い、財政赤字に対処するためだったはずです。
しかし、国民に消費増税の負担を強いておきながら、政府はその税金をバラマキに使うというのであれば、一体何のための増税か分かりません。
「増税を行い、得た税金をバラマキに使い、財政赤字が膨らむ」という悪循環を断ち切ることができる政党が今の国政の場にあるのでしょうか。