米中の貿易交渉は難航している模様です。
米国は、中国からのほぼ全ての輸入品に関税を上乗せする手続きを開始し、中国も対抗措置を取るとしています。
報道の中には、「自由貿易を堅持したい中国と、自国ファーストで保護主義の米国」といった構図で語られているものもありますが、少なくとも中国は相互主義に基づく対等な自由貿易の国ではないのではないでしょうか。
なぜならば、中国による外国企業に対する強制的な技術移転や、国有企業に対する多額の補助金など、自由貿易の観点からは問題が多いからです。
ですから、こうした問題点の是正を掲げて中国と貿易交渉をしているトランプ大統領の側こそ筋が通っていると言えます。
いずれにせよ、米中貿易戦争は長期化も予想されます。
こうした中、台湾の蔡英文総統は、中国で生産して米国に輸出するというビジネスモデルが変化するとして、台湾企業に生産拠点を台湾国内に戻すよう呼び掛けています(※)。
同様のビジネスモデルは日本企業も多く採用しており、仮に中国から米国への全ての輸出品に25%の関税が上乗せされるとすると、コストメリットが出ない製品も多いはずです。
ですから、これを機に日本企業も中国国内の生産拠点の移設を、今まで以上に積極的に検討すべきではないでしょうか。
※:5月10日付産経新聞http://www.sankei.com/world/news/190510/wor1905100024-n1.html