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2019/05/06【“アイアンドーム”に注目】

 北朝鮮が日本海に向けてロケット弾と見られる複数の発射訓練を行った模様です。

 発射した兵器の中には短距離弾道弾と見られるものもあったようですが、制裁解除の見通しが立たない中、国連決議に反しない範囲で、米韓へ圧力を掛けたと見られています。

 同時に、北朝鮮は国内の強硬派を念頭に弱腰の姿勢を見せられない事情も考慮する必要がありそうです。

 

 こうしたロケット弾は、比較的近距離を攻撃するために使用されるものですが、構造が簡単で安価であるため、北朝鮮をはじめ中国も大量に保有しているとされます。

 しかも、多くは無誘導で短時間に多数発射されることから、有効な防御手段はあまりありません。
 

 こうした中、イスラエルの「アイアンドーム」と呼ばれる防御システムが注目を集めています。

 中距離弾道弾などに対応した自衛隊のPAC3やSM3では、ロケット弾の迎撃には割が合わず、反応時間にも限界があります。

 一方、イスラエルと敵対するヒズボラなどが発射するロケット弾の迎撃に実績をあげているアイアンドームは、PAC3に比べ安価で連射が利きます。

 北朝鮮や中国などのロケット弾が、日本にとって直ちに脅威となるわけではありませんが、戦車などの陸自の兵器の出番となるような状況では、ロケット弾への対処が現実化します。

 飽和攻撃に対しては、その全てを迎撃することは困難ですが、重要なエリアでは被害を最小限に抑える必要があります。
 

 ですから、日本も自主開発やエネルギー兵器を含め、できるだけ早期の装備化を検討すべきではないでしょうか。

 また、中国軍が台湾に侵攻する際、上陸の段に艦船から大量のロケット弾が発射されることが想定されます。

 よって、この種の装備は、台湾防衛にとっても有効なはずです。