国会では様々な法案が審議されますが、賛否が激しく分かれる法案であっても、一旦、法案が成立すると、その後の議論は急速に萎んでしまいます。
例えば、集団的自衛権が議論になった安保関連法では、国会前で比較的規模の大きな反対デモが催されるなどして、法案に反対する声が巻き起こりましたが、法律が成立するとその熱気は急速に冷めました。
法律が成立すれば、それに従うことは議会制民主主義の国として当たり前と言えは当たり前です。
しかし、消費増税については、「もう決まったことだから、その議論は終わったのだ」ということには必ずしも当てはまりません。
今年の10月に消費税が10%に増税されることが決まった根拠法である消費税法が改定され成立したのが3年前の11月です。
その間、今に至るまで、与党内部からも増税の予定通りの実施や増税延期といった声が折に触れて噴出しています。
先には、安倍首相の側近の一人が、消費増税延期の可能性に言及して物議を醸しました。
こうしたころから、現時点においても10月の消費増税の実施は、日本が取るべき政策として本当に正しいのかどうかを、政府・与党自身も確信を持てないでいることの証左になります。
つまり、消費増税は今からでも撤回できる可能性があるということです。
「景気を冷え込ませる」、「景気後退で税収全体では減収となり財政健全化に寄与しない」、「一部財界の既得権の維持に繋がる」等、消費増税のデメリットが次々に明らかになっています。
ですから、今でも消費増税の延期・撤回の声を上げることは必要です。