労働基準法を基に1年単位の変形労働時間制というものが定められています。
労働時間の上限を原則として1日8時間、週40時間とするこの制度は、中小をはじめ多くの企業が採用しています。
この制度の条件のもと、年間の休日が105日を下回らないようにと規定されており、各企業は休日を設定します。
そうした企業の中には、「年度毎」ではなく「年毎」に休日を決定しているところも多く、従業員が予定を立てる都合や取引先との関係から、概ね年末年始の数か月前に来年の休日を発表するのが通例です。
当然、今年の休日も年間105日を基準に多くの企業で昨年秋には決定していたはずですが、昨年の11月13日になって政府が4月30・5月1日・2日を祝日扱いにすると閣議決定しました。
多くの企業にとって休日の日数は売上を左右する重要な要素ですが、年末年始まで2ヶ月を切る中で突然、公的な休日が3日増えたわけですから、対応に苦慮した企業が少なくないと聞きます。
売上の減少を承知で3日間を休日にする企業や、やむなく3日間を予定通りの就業日とする企業、対応は様々でしょうが、この祝日の増加によって企業経営に混乱が生じたのは事実でしょう。
もちろん新天皇の御即位をお祝いしたい気持ちは日本国民として多くの人が持っていますが、政府にはもう少し配慮があっても良かったのではないでしょうか。
10連休によりレジャー関連の経済効果は上がるでしょうが、国全体ではGDPを押し下げることは明白です。
過労で苦しむ人に手を差し伸べることは必要ですが、働ける人にはできるだけ働いてもらえるような政策を取らなければ、日本の国力はどんどん下がってしまいます。
それが本当に国民の幸福に繋がるのでしょうか。