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2019/04/12【法律の上位にある神仏の存在】

 中国政府は、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世の後継者選びについて、中国の法律に従う必要があるとの認識を示しました(※)。
 

 しかし、この中国政府の認識には誤りがあります。

 その一つは、そもそも中国が法治国家なのかどうかという点です。

 独裁国家は、法治国家と言いながらも、為政者に都合の良い法律を次々に作り、恣意的に法律を運用します。

 共産党の一党独裁国家である中国も、この例に漏れず、中国共産党の都合で法律を作り運用しています。

 
 だからこそ、独裁者が恣意的な法律を作らないように、法律の上位に神仏という人間を超越した存在があることを認めるべきです。

 これこそが信仰を尊重しなければならない理由です。
 

 
 しかし、今回の中国政府の認識は、チベット仏教の上に中国共産党という存在があるということを示しています。

 ですから、仏教が「人を殺めてはならない」という教えを説いても、中国共産党の判断で容易に人権を弾圧したり、人を殺めたりしています。

 実際、文化大革命や天安門事件でも多くの人が殺されましたし、今もチベットやウイグルなどで苛烈な人権弾圧が続いています。

 中国政府は、「中国には信教の自由がある」と言いながら、輪廻の思想で後継者を選ぶというチベット仏教の宗教的な行為に対しても、中国政府の恣意的な法律の適用を求めています。

 それは、「中国に信教の自由が存在しない」ことの証拠です。

 今の中国にとって必要なのは、「自由・民主・信仰」という価値観であると確信します。

 ※:4月12日付CNNニュースhttps://www.cnn.co.jp/world/35135674.html