今年に入って中国経済が大失速するのではないかという観測があちらこちらから出ています。
中国の貿易統計などの指標が軒並み失速の傾向を示していますし、全人代での経済成長目標も昨年から下方修正されました。
更に、中国国内の不良債権も爆発寸前とも言われています。
米国との貿易戦争の状況如何では、リーマンショックや日本のバブル崩壊のようなことが中国で起こる可能性が高いと言えます。
それは、トランプ大統領が進める中国の軍事拡大の原資を断つ戦略が実を結ぶことを意味するのですが、短期的には日本に及ぶ悪影響も少なくありません。
現在、日本にとって中国との貿易は、輸出入全体の2割余りに達し、米国をしのいでトップとなっています。
実際、中国との貿易無しでは立ち行かない企業も多いと言えます。
ですから、企業個別の対策としては、中国経済の不透明さを考慮して、中国経済崩壊時の防衛策を今のうちに講じておく必要があります。
一方、日本政府としては、中国経済崩壊時の世界経済への影響を考慮すると、やはり内需拡大政策を取る必要があるのではないでしょうか。
そして、この内需拡大の際にやってはいけないことが1つあります。
それは消費増税です。
国民の可処分所得が増えない中で、ほぼ全てのモノやサービスの値段が上がることになる消費増税は、確実に内需を縮小させる効果があるからです。
ですから、中国経済崩壊への予防線としても、10月の消費税増税は見送るべきと考えます。