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2019/03/15【今こそクリミアへの投資を考慮しては】

 プーチン大統領は、日露平和条約について「交渉の速度が失われた」と語ったとのことです(※)。

 これは、領土交渉も暗礁に乗り上げていることを示しており、日露両政府共に安易に譲歩できない事情が見て取れます。

 同時に、プーチン大統領は、まず日本が日米同盟から抜け出さなければならないという認識を示したとのことです。

 しかし、日米同盟は、発足当初は対ソ連を見据えていたとはいえ、東西冷戦が終わった現在では、対中国を考えた時に日本の安全保障にとって不可欠な存在です。

 当然、プーチン大統領もそのことを認識しているはずですから、交渉を進展させる上での日本に対する牽制の意味合いが強いものと思われます。

 ですから、日本としては、日米同盟からの脱却ではなく、別の大きなカードを切って、交渉を進展させるべきではないでしょうか。

 そのカードとは、ロシア経済に対する支援の強化です。

 プーチン大統領は、経済の低迷で高い支持率に陰りが見えています。

 そこで、ロシアから天然ガスや石油の輸入を大幅に増やす、あるいは欧米が課する経済制裁から一部脱却しクリミア半島へ投資することなどを検討してはどうでしょうか。

 欧米、とりわけ欧州からの反発があるかもしれませんが、日本の切実な事情として、中露を同時に敵に回すことはできないので、腹をくくる必要があります。

 
 以前にも申し上げましたが、親日のプーチン大統領の治世は、千載一遇のチャンスです。

 この機会を逃せば、中国包囲網にロシアを加えることが難しくなってくると考えます。

 ※:3月16日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20190316/k10011850531000.html