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2019/03/10【国としての一体感の強化を】

 大阪の地方自治が混乱しているようです。

 4年前に橋下前知事のもと住民投票で否決された大阪都構想を、再度掲げて知事になった松井氏が、現状を打開しようと大阪市長とともに大阪府・大阪市のクロス・ダブル首長選に打って出たためです。
 

 確かに、大阪府と大阪市の二重行政による非効率な部分を是正する必要性は感じますが、一度否決された住民投票を、再び行うことにどれだけの大義があるのか疑問です。

 これでは、自身の主張が受け入れられるまで何度も住民投票を行うことにもなりかねず、住民投票そのものの重みが失われてしまうようにも感じます。
 

 国政政党の維新の会は、大阪都構想を青写真に、地方自治を強化するために憲法改正の必要性を主張しています。
 

 しかし、道州制の導入など、地方各々が個別に発展する可能性がある反面、どこまで地方自治を強化するのか十分検討しなければ、国としての一体感が失われる可能性もあります。
 

 むしろ、現在、一党独裁の巨大な全体主義国家である中国の脅威にさらされている中で、カリフォルニア州ほどの面積しかない日本は、中央集権を強化して国としての一体感を高めなければならないのではないでしょうか。
 

 故に、大阪府と大阪市の行政効率を高める問題と、道州制の導入を目指して憲法を改正する問題は、別の問題のように感じます。