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2019/03/09【“遅かった”とならないために】

 アインシュタイン博士の未公開のノートや手紙が初めて公開され注目を集めています。

 その中で、「ドイツの軍備増強は極めて危険だが、ヨーロッパ各国はいまになってようやく真剣に捉え始めている」という記述が見られるとのことです(※)。

 第2次世界大戦勃発前の世界情勢を反映しており、ナチスが軍備増強・覇権拡大を進めているにもかかわらず、ヨーロッパ各国が楽観的に捉えてナチスへの対応が遅れたことを嘆いているものとされます。
 

 こうした状況は、今の東アジアの情勢と似ているのではないでしょうか。

 中国は、軍事費を毎年10%前後の伸び率で増強を続けるとともに、南シナ海では複数の人工島を造成し軍事拠点化し、海外にも軍事拠点を設ける動きを見せています。
 

 一方で、日本は必要な防衛費の増加を怠り、かつては通常兵器の性能で中国軍を上回るとされていたものの、今では日本単独で必要な防衛力を維持できているとは言えない状況になっています。
 

 それどころか、こうした状況にも関わらず憲法9条に固執し、「日本さえ戦争を放棄すれば平和が維持できるのだ」と考えている政党もあります。

 戦争は、いくら日本が放棄したとしても、相手次第では起こり得るものです。

 ですから「戦争の放棄」とは、日本が戦わずして降参するようなものです。
 

 かつてナチスに降参した国々がどうなったかを振り返れば、「降参しても戦争を回避すれば平和が守られる」という考えだけでは、平和はやってこないことが分かります。
 

 ですから、悪意を持って対外的な拡張を図る国に対しては、十分な抑止力を整備することを怠ってはなりません。

 さもなければ、気づいた時には多大な犠牲を払っていたということにもなりかねないのです。

 ※:3月7日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20190307/k10011838941000.html