中国の通信機器大手ファーウェイは、安全保障上の脅威を理由に自社製品の使用を禁じた米国政府の措置は、米国憲法に違反するとして米国内で訴えを起こしました。
ファーウェイは、米国政府が自社を脅威とする証拠を示していないうえに、弁解の機会も与えられていないなどとしています。
これについて、中国政府もファーウェイの動きに支持を表明しています。
一方で、中国政府は反スパイ法に基づき外国人を次々と逮捕しており、これまでに複数の日本人も拘束され裁判にかけられています。
その際、中国政府は逮捕の理由をほとんど明らかにせず、ただ、国家の安全を脅かす行為があったとするだけです。
裁判も、弁護人は付けられず、非公開で行われます。
ですから、外交の相互主義の原則からすれば、米国政府は、中国企業に対し詳細な証拠を示す必要が無いのではないでしょうか。
そもそも高度なネットワーク機器に、製造元がソフト・ハードの両面でバックドアを仕掛けたとしたら、他者がそれを特定するのは至難の業ですし、証拠を示すこと自体が米国のサイバー防衛能力を明かしてしまうことに繋がりかねません。
中国には安全保障上の脅威となる十分な動機があるので、米国が予防措置を講じるのは国家として当然といえます。
それでもなお、中国が他国の法律を盾に自国の利益確保を図るのであれば、中国自身も先進国並みに法治を徹底させる必要があるのではないでしょうか。
それは何よりも中国国民の利益の確保にも繋がります。